goo blog サービス終了のお知らせ 

元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「バタフライ・エフェクト」

2005-12-06 19:54:39 | 映画の感想(は行)

 初期条件のわずかな相違が未来に大きな影響を与えるという意味のカオス理論を題名にしているわりには、結局“誰が考えても理に落ちる結末”をリフレインしているだけであり、その点は不満。まるで出来の悪いロールプレイングゲームのようだ。

 しかも“人生をやり直せる能力”を持っていながら、それほど“的確な時点”に移動しているとは思えない。何度も時間をリフレインしたせいで主人公の脳に悪影響が出たこと、彼が父親から受け継いだらしい“悪い遺伝子”、度重なる記憶障害etc.それらモチーフも上手く料理されておらず、映画はあらずもがなのラストを迎えるのみ。

 監督・脚本のJ・マッキー・グルーバー&エリック・ブレスは“個人的時間旅行者”という題材だけに満足してしまい、物語の細部を詰めることを怠ったようだ。

 ここは時間旅行に関して何か確固としたルールを設けておくとか、あるいは小林泰三の小説「酔歩する男」みたいに限りなくストーリーをごちゃごちゃにして観客を幻惑させるとか、いま一歩の工夫が必要だった。

 主演のアシュトン・カッチャーは本国で大人気の若手スターらしいが(最近デミ・ムーアと結婚したらしい ^^;)、なるほど目元が涼しい色男で、日本でもブレイクするかもしれない。対するヒロイン役のエイミー・スマートはかなりの熱演だが、残念ながら御面相が・・・・(爆)。あらためて“アメリカ映画の女優起用の基準”がその他の国とは懸け離れていることを痛感した。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ」

2005-12-06 06:57:23 | 映画の感想(は行)
 スリラー映画としてはつまらない。第一途中でネタが割れる。主人公が心理学者である点で、すでに先が見えてしまう。

 ジョン・ポルソンの演出は“可もなく不可もなし”のレベルを超えるものではないし、クライマックスの段取りも型通り。結局一番の見所はロバート・デ・ニーロが“こういう映画”に出て“ああいう演技”をしていることだろう。彼だけではなく、ファムケ・ヤンセンやエリザベス・シュー、エイミー・アーヴィングという“こういう映画”にしては贅沢なキャストを揃えているところが異彩を放っている。

 ひょっとしてこれはダコタ・ファニングの業界内のネームヴァリューにプロデューサーが乗っかったせいではないか。確かに彼女は達者な子役ではあるが、飛び切りの正統派美少女でもないし、彼女ほどの演技力を持つ子役は他にもけっこういるはずだ。にもかかわらずコンスタントに大物俳優との共演が続く現状は、何か“裏”でもあるのかと勘ぐってしまう(笑)。

 それより気になるのは彼女の髪の色が以前の作品とは違うこと。染めているのだろうか(子供の頃から髪を染めるのはホメられたことではない)。

 さらに気になったのが、当地では日に一回だけ結末が違うという別ヴァージョンが上映されていたこと。よっぽど脚本に自信がなかったのか、はたまた本編を観た客を再び劇場に呼び戻そうとしているのかは知らないが、いずれにしろスマートとは言えない企画ではある。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする