元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

女子フィギュア日本代表の選考について

2005-12-27 06:57:26 | 時事ネタ
 すったもんだの挙げ句、浅田真央選手は五輪に出場しないことが決まった。一部の掲示板などで「やっぱりルールはルール。厳粛に守らないとね」なんていう文章をいくつか目にしたが、ちゃんちゃら可笑しいと言うべきだろう。スポーツの国際組織が決める「ルール」とは真の意味での「ルール」ではない。あれは関係者のパワーバランスによる「落としどころ」を示したものに過ぎないのだ。だから組織内の力関係が変われば勝手にルールも変わる。スキー板の長さの基準が変更になったことなどその代表だ。

 ハッキリ言って、いくら日本の女子フィギュア陣の水準が高いといっても、マジに五輪で優勝を狙えるレベルに達しているのは浅田真央選手しかいない。素人目で見ても、ズバ抜けている。現時点での持ち点もダントツだ。だから、本気で日本スケート連盟が金メダルを取ろうと思っているなら、あらゆる手を使ってでも彼女を出場させるべきだった。その手段とはもちろん“根回し”である。関係者・関係国を巧妙に言いくるめ、バレない程度にカネをばら撒き(笑)、あるいは脅してすかして賛同者を募る。それがスポーツ・ビジネスというものだ(おいおい ^^;)。

 しかし日本スケート連盟は、ISUのチンクワンタ会長に書簡で特例を打診したに過ぎなかった。結果はもちろん却下。正面から“ルールを変更して貰えないでしょうか”と言っても、あっちは“ダメッ”と答えざるを得ない。いわばこれは“日本スケート連盟としては、ひとまず努力はしましたよ”というポーズに過ぎないのだな。ガキの使いと一緒だ。


 つまり、最初から日本スケート連盟は彼女を五輪に出場させる気などなかったのだ。それはなぜか。彼女が出ることによって出られなくなる選手の関係者からの圧力であるとしか考えられない。ちなみに、どう見ても本調子とは思えない安藤選手が五輪に出ることになったのは、彼女のバックに某大手自動車会社が付いていたからと思って良かろう。

 もしも、アメリカに浅田選手みたいに“年齢基準にわずかに達しないけど、凄い実力を持った選手”が現れたとしたら、ありとあらゆる汚い手段を使って「ルール」を変更させ、五輪に出させるに違いない。それはもちろん関係者にとっての“オリンピックでのメダル獲得者”を売り文句にした将来の興行的大儲けに繋がるからだ。それがまた結果的に“国の名誉”にも繋がるのだから、まあ一石二鳥と言えなくもない(笑)。

 対して日本は国内のチマチマとした勢力争いにより、肝心のメダル獲得を遠ざけている。まるで愚の骨頂だ。

 もっとも、たとえ「ルール」が改正されたところで浅田選手自身が“五輪に出る気はない”と主張するのなら、それはそれで個人の意志は尊重されるべきだと思う。ただし、周囲がおだてて、本人に“やっぱり出たい”と思わせるようにすることも“根回し”のひとつには違いないが(爆)。
コメント
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