The separation comes suddenly.

そのひとと、いっしょに働きはじめたのは、今月のはじめ。
その３日前くらいに、
「新しいひとがはいるから」と、上司に聞いた。

わたしは、はす向かいの席で、
いちばん、そのひとの表情がよく見える場所にいたの。


いつも、すこし、困ったような顔をしていた。

自分のはじめの１ヶ月を思い出したら、
その気持ちは痛いほどよく分かった。

だからね。
ただただ、はじめは、笑ってほしい、って思ったんだ☆


その時のわたしに。
隣の席だった上司が、
大丈夫、と言い続け、いつも笑わせてくれて、
会議でだされるジュースをいつもお土産に持ってきてくれて。
そして、わたしが、いまここにいられるように。

そのひとにも、笑ってほしかったの。


たまたま、毎朝わたしがだしたデータをそのひとに送る仕事があって。
ただ送るだけじゃつまらないので、
ひとこと、コメントをつけて毎朝送ったの。


きょうは、空がめちゃめちゃきれいです♪とか、
きのうは、六本木ヒルズにいってきました♪とか、
寝癖を直す時間がありませんでした。見て見ぬ振り、してください☆とか。
・・・そんなふうに。３行くらいなんだけど。

毎日、必ず、お返事をくれてね。
わたしはすごく、そのひとと友達になりたい！って思ったんだ♪


今日の朝のコメントは、
土曜日に代官山でクリスマスパーティーをしました♪
ちょっぴり、先取りしすぎですよね・・・☆みたいなかんじで。

そうすると。
「はやっ！！！」って題名のメールが返ってきた☆笑


そして。
きょうの、午後。

再びきたメールには、
「気づいていると思うけど、
　今月いっぱいで退職することにしました」って書いてあったの。

うすうすそんな予感はしたけど。
あまりにも急で、驚いた。
だって、もう、きょうを入れて３日しかない。



別れは、突然、やってくる。
いつもいつも、そうだった。

でも、それは、かまわないの。
だって、石鹸がへっていくみたいにじわじわくる別れなんて、
とてもじゃないけど、やってられない。
別れなんて、
降って、湧いたみたいに、やってきてくれたほうがいいような気がする。

別れは、突然、やってくる。
だからこそ。


もちろん、過去があるからいまのわたしがいるわけだし、
これから歩く向きを決めるために、未来を見つめることもたいせつ。

でも。
いま、ここ。
わたしの、目の前にいてくれる人たち。
それが、いまのわたしの、いちばんたいせつな、全て。

たいせつに想い、たいせつに過ごす。
そのひとが、いてくれることに感謝する。



会社が変わっても、メールしてね、って、連絡先を渡した。
だから、きっと、
これは、ほんとうの意味での別れではないの。


それでも、やっぱり。
帰り道は、ちょっぴり、しゅんとした。

このとき、誰かに話しかけられたら。
「ノルウェイの森」のワタナベ君だったら。
きっと、こう言う。

It's all right now,thank you.
I only felt lonely,you know.