HAPPY MANIA

おいしい、まいにち。
あじわう、せいかつ。

こころにカルピス

2007-08-03 22:50:29 | ♪DIARY♪
きのう、ふと最近小説を読んでいないことに気がついて、
仕事の帰りふらっと本屋さんに立ち寄って
たまたま平積されていた好きな作家の本を買いました。


今日は帰りの電車にあと少しのところで乗り遅れて、
ホームにぽつんとひとり
鞄の中からきのう買った本を取りだして読み始めたんだ。



久しぶりに読んだ“小説”は、
その一行一行が心にしみるようでした。


幼いころのひどく暑い夏のある日、
汗を拭いながら飲んだ氷のたっぷり入ったカルピスみたいに。
しゅわっとしみていきました。



必要にかられて読んでいるビジネス書や、
何か心のよりどころが欲しくて読んでいるエッセイや。
何気なく手にしている新聞やら、フリーペーパーやら。

最近のわたしを取り巻いていた活字たち。

どれも悪いわけではないけれど、必要なものだけれど、
わたしのフィーリングに合っているとは言い難く。
やっぱり、それだけでは足りなかったみたい。
心がちょっぴり、かさかさになっていたようです。


  こんな風に三人で花火をするつややかな夏の夜を
  かけがえのないものに感じた。


そんな一節を読んで、
わたしは鮮やかな花火が彩る「つややかな夜」を想像してみたの。

それは果てしなく、終わりがなくて、驚いた。
こんなに広くてこんなに自由な世界があることを
わたしはすっかり忘れていて、
忘れていたことにもっと驚いた。



電車がホームに入ってきて、本を閉じて顔をあげると、
ホームにはいつの間にやらたくさんの人がいました。

我に返って電車に乗って、
しばらくしていつものように眠りに落ちて、
いつもの駅で降りると。

ほんのりと海の香り。

きっと、毎日気付かないまま通りすぎていたのだろうな。
海の香りに気付いたとき、
ほんの少し自分を取り戻せたような気がしました。


心にもうるおいを。
こまめに水分補給を忘れずに。

一冊の本が、
あの夏の日のカルピスみたいに心を潤してくれました。








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