気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

茄子の花

2006-10-19 23:10:05 | つれづれ
死ぬことを考えながら人は死ぬ茄子の花咲くしずかな日照り

赤蜻蛉霊ひとつずつはこべると聞きしはいつか草はらにいて

われはわが脳を死ぬなり黒犬のかたちが視野にひろがりゆきて

死に終えて祖母はねむれりあおあおと輪郭のみを泛かべいる山

遺族にも濃淡ありてびろーどの秋の陽射しのなかにならびぬ

(吉川宏志 夜光)

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生きていて死ぬことを意識することは、わずかだ。作者の祖母の死をふくめ、死に纏わる歌が多く目についた。
画像は、茄子の花。季節の花300さまのサイトからお借りしています。