卓上の本を夜更けに読みはじめ妻の挟みし栞を越えつ
しらさぎが春の泥から脚を抜くしずかな力に別れゆきたり
ねむいねむい僕に代わりに月光のえのころぐさを見張ってほしい
ひのくれは死者の挟みし栞紐いくすじも垂れ古書店しずか
抱いていた子どもを置けば足が生え落葉の道を駆けてゆくなり
(吉川宏志 夜光 砂子屋書房)
************************
吉川宏志の第二歌集『夜光』を読む。
この人の歌は、しんとしている。ハズレがない。
しらさぎが春の泥から脚を抜くしずかな力に別れゆきたり
ねむいねむい僕に代わりに月光のえのころぐさを見張ってほしい
ひのくれは死者の挟みし栞紐いくすじも垂れ古書店しずか
抱いていた子どもを置けば足が生え落葉の道を駆けてゆくなり
(吉川宏志 夜光 砂子屋書房)
************************
吉川宏志の第二歌集『夜光』を読む。
この人の歌は、しんとしている。ハズレがない。