気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

もみぢして

2006-10-15 01:06:22 | つれづれ
消費して消費してとめどなき日々を謀略のごとチラシ入りくる

靄いづる晩秋の森もみぢしてこころの表裏あいまいになる

暮れなづむけふ一日の幕間にひととき架かる虹を見てゐつ

情報がひとの心をもてあそぶいやな時代のただ中にゐる

犬はふと胴震ひせり人間はそしてどこまで時雨れてゆくのか

(小泉史昭 夕木霊 本阿弥書店)

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『夕木霊』の後半から。
四首目に関連して思うこと。ネット上に情報があふれていても、いつも気にしている同じところばかり見てしまって、全体が見えていないんじゃないかと不安になる。ジャンクメールが一杯来るが、たまたま現実の友達とおなじ名前で来るとどきっとする。ちらっと見て削除する。手紙ならば、間違いであってもそんなに粗末に捨てはしないだろうに。