気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

壜#09 高木佳子

2016-01-03 00:29:19 | つれづれ
をとこらに充填されて発ちしバス 炎天の熱に街は膨らみ

うすうすに生きてるうちに終わらないことを知りゐてなほ鶴を折る

  「アベ政治を許さない」
忌避さるるものはカタカナ フクシマもアベも書かれてみるみる尖る

小さな手、その手の汚染を洗ふことあたはざりしを国は知りしか

ああ人ら喚ぶあはひを外に出ぬ吾子はゲームに国を滅ぼす

(高木佳子 つぼみ 壜#09)

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福島県いわき市の歌人高木佳子の個人誌壜9号を読む。

今号は、短歌連作「つぼみ」28首と、特集 文学と政治。論考が二本ある。
高木さんは、現代短歌新聞に「被災地から」というエッセイを連載しておられる。1月号で46回の連載。いわき市に住みつづけてこそわかることを発信する。
個人誌「壜」を発行するのも、何ものにも気兼ねなく、気持ちを表現したい強い気持ちからだろう。彼女の熱意を応援したいと、いつも思っている。

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