気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

ドームの骨の隙間の空に 谷村はるか つづき 

2009-04-02 19:58:13 | つれづれ
おまえより大変な人はもっといるそんななぐさめ方、最低だ

秘密持たず生きたことなどこれまでに一日とてなし雪道を行く

すべての人の痛み共感できるとはきみは誰ですか晴れすぎた空

たくさんの人を忘れて今がある開けては封をする段ボール

いとおしい人生だから勝ち負けのボードになんか乗せるなきみも

男だったら自分のことを俺と呼び人前で泣き死相で眠る

抱ける体があるなら抱けと呼びかけるむかしに焼けた街の土から

(谷村はるか ドームの骨の隙間の空に 青磁社)

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こんなにまっすぐに本音を言っちゃっていいのだろうかと思うが、読んでいて爽快。
あとがきには「生まれ育った東京から、福井、広島、再び東京と住む場所を変え、その間に大阪へ、博多へ、会いたくなるたびに会いに行った。・・・」とある。
京都、しかも左京区から出たことのない私とは、まったく違うけれど、こころ惹かれる生き方だ。疲れたときに読むと元気をもらえそうな歌集。


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