気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2007-02-12 22:29:55 | 朝日歌壇
雪の無い稀代の年明け訝しむ温い雲居のトロント・タワー
(カナダ 堀千賀)

母と居て娘となりぬ山の湯にともに老いたる足をゆらして
(香川県 山地千晶)

自らの過去を奏でている如く二胡(にこ)奏者の眼閉じされしまま
(アメリカ 悦子ダンバー)

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一首目。世界的に温暖化しているのか、カナダでも雪の無い年明けだったらしい。トロントタワーで作者の住んでいる土地もわかる。作者の不安が伝わってくる。
二首目。ふだんは離れて暮らしていて自立しているのに、母を居ると娘に戻るという作者。早くに母を亡くしたわたしには、うらやましい歌だ。ほのぼのした感じが良い。
三首目。楽器と演奏者が一体化している様子がよくわかる。楽器を奏でることはこういうことだろうと思わせる。



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