気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

春原さんのリコーダー 東直子

2005-07-11 18:21:14 | つれづれ
おねがいねって渡されているこの鍵をわたしは失くしてしまう気がする

廃村を告げる活字に桃の皮ふれればにじみゆくばかり 来て

転居先不明の判を見つめつつ春原さんの吹くリコーダー

少し遅れてきた人の汗ひくまでのちんちろりんな時間が好きよ

「・・・び、びわが食べたい」六月は二十二日のまちがい電話

(東直子 春原さんのリコーダー 本阿弥書店)

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近所のブッ○オフに散歩に行って、見つけた一冊。実は3ヶ月ほど前から、ここにあるのは知っていたが、半額になっていただけだったので買わずにいた。きのう、単行本すべて500円というセールだったので、ついに購入。なぜか謹呈の栞まで入っていた。

東直子の歌は、現実味がうすい。意味を読み取れないものがあるが、それはそれで不思議感を楽しんだらいいんだろう。歌の終わりまできて、一字あけで「来て」というようなやり方は、彼女がはじめたのだろうか。ネット歌会ではよく見るやり方だ。

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