気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2007-03-19 22:49:16 | 朝日歌壇
真鴨にも流れにまかす生があり後ろむきにて二羽川くだる
(浜松市 松井惠)

早春には木に咲く花の多くあり子を抱き上げて触れさせんとす
(東京都 鶴田伊津)

ガラス器にはげしく水を吸いながら沈黙深くヒヤシンスあり
(相模原市 岩元秀人)

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一首目。よく見ていれば、鴨は前に進むだけでなく、流れにまかせて後退するものもいるだろう。作者はよく見ていたと思う。三句目の「生があり」がかたい言葉だが、効いている。
二首目。あたりまえのことなのだが、子供に新しい経験をさせようとするとき、親の方も気づくことがある。わたしは子供たちにこんな抒情のある育て方をして来ただろうかとちょっと反省。
三首目。沈黙深くという言葉に引かれた。思えば、シンクロナイズドスイミングも水面下ではげしく動いても、外に見えるところは穏やか。さっき見たテレビからそんな連想もした。

小池さんが読売歌壇の選者になられてから、図書館に読売新聞を読みに行く。きょうは、藤原龍一郎さんが毎日新聞に記事を書いているという情報もあって、こちらも見てきた。あれこれいそがしい。こうしてアタマをよぎった何かがいつか実を結ぶことを、祈りつつ・・・。ついでに図書館で、数冊本を借りてくる。



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