気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

短歌人3月号 同人のうた

2011-03-18 11:04:13 | 短歌人同人のうた
このやうな秋のひと日は身に添へてうつくしく尾を巻かむとぞ思ふ
(酒井佑子)

アイスコーヒーが水のコーヒーとなりゆける木曜の午後 平明なりき
(柚木圭也)

決まり文句で終はりし母の恋語り「みんな戦争に行つてしまつた」と
(有沢螢)

三匹目の兎に乗ればこの先の十二年間おそらく速い
(生沼義朗)

子もきみも眠りしのちにひらきたる辞書の文字たちふくらみ始む
(鶴田伊津)

茂吉茂太ドクトルまんぼう北杜夫呪文となへて眠りに入りぬ
(大森浄子)

「砂に消えた涙」唄ひぬ一握のカラオケマイクを弓手に持ちて
(倉益敬)

ばうとして粥のひかりに沈みたり朱塗りの匙と或いはこころ
(春畑茜)

寝て過ごす時間のながくなる父とともに夢みる「春になれば…」と
(加藤隆枝)

いちぐわつの風の午後なりちかづきてまた遠ざかる歌のかみさま
(高田流子)

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短歌人3月号同人1欄より。

わたしの住んでいる京都は地震の影響がまったくありませんでした。ありがたいことです。
しかし、申し訳なさから気分が落ち込む毎日です。
ブログの更新も、その他、現実のあれこれ滞っています。



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