気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2011-01-17 20:26:33 | 朝日歌壇
朱雀門はるかかなたに大極殿今日の雲きて今日を流るる
(館林市 阿部芳夫)

藍ふかき空よりはやく街並は影絵のように夜をひきよせる
(春日部市 宮代康志)

息止めて若きナースがセットする点滴聖夜の時間を刻む
(相模原市 岩元秀人)

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一首目。平城京の朱雀門、大極殿の大きな光景が目にうかぶ。空には今日の雲。一期一会という言葉を思う。今日のくりかえしも効いている。
二首目。夕暮れの街の描写が美しい。夕方が近づくと人は早めに明かりを点けるので、それが夜をひきよせるように見える。下句が魅力的。
三首目。点滴も若いナースも清らかなものに見えるクリスマス。ナースという言葉の響きも爽やかで清潔感、緊張感がある。

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