気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

夏男 永田吉文歌集 つづき

2008-02-23 20:00:29 | つれづれ
とある日に、みゆき禁断症状で「ひとり上手」を聴く一人下手

仕事なき日はケ・セラ・セラの河馬となり<中島みゆき>を漬かるほど聴く

一葉に会ってもすぐに別れねばならない長くて三日おおかたその日

庭いじりする母といじらせる庭 なかなかにいい関係らしい

目に見えぬ確たる力にみちびかれ海を渡りぬ 蝶の道なり

動かない柱時計が捨てられない 捨てられない物わたしの一部

(永田吉文 夏男 雁書館)

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歌集を読みすすむうちに、永田さんが中島みゆきとゆずのファンであることがわかる。
あとボブ・ディランやサイモン&ガーファンクルなどもお好きなようだ。
一首目の「とある日に」という初句は、面白い。一度使ってみたくなる。
二首目は、短歌人誌の校正の仕事を長くしておられることを、自分を河馬に譬えて童話風に詠った一連から。
三首目、実感があってよくわかるが四句目が長い。これは融通のきく句だから、言いたいことがあれば長いのは良しとされている。
四首目。句跨りでうまく作られている歌。いじらせる庭という発想がなかなか常人には出来ないところ。
五首目。蝶の道という言葉が美しい。説得力がある。
六首目。そうか、やっぱり片付けられない人なんだな・・・。
こういうインパクトのある装丁の歌集が、一般の新刊書店にばーんと平積みになって、ベストセラーになったりしたら、永田さん、何かご馳走してくださいね。



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2 コメント

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歌でしか言えない (tamaya)
2008-02-23 20:32:41
こんばんは。永田さんの作風からしたらユーミンの名前が出てきてもよさそうなところ、なんてったって中島みゆき!!なんですよね。私も・・・、なんで嬉しくなりました。
「歌でしか言えない」・・・というのはもう15年ほど前の彼女のアルバムのタイトルですが、歌を詠む者としてはよ~くわかるような気がします。
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Unknown (かすみ)
2008-02-24 00:29:42
tamayaさん こんばんは。
私は、中島みゆきは余り聴きません。だからよくわかってないんです。ユーミン派です。男性なら陽水です。
ちなみに永田吉文→さだまさし、倉益敬→ジュリー説があります(笑)
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