気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2012-03-12 19:59:34 | 朝日歌壇
紙おむつ三つ荷台にくくりつけ自転車がゆく泥の雪道
(銚子市 名護敬子)

日本にはスプンはあるか椅子あるか問ふて来る子のまじめな瞳
(グアテマラ 杉山望)

風きって空の模様を地図にして自転車をこぐ春を探しに
(岡山市 酒井那菜)

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一首目。紙おむつの需要は、赤ちゃん向けより大人向けの方が多くなったと聞く。この作者の運ぶ紙おむつはだれが使うのだろうか。結句の「泥の雪道」が作者の苦労を象徴しているように読める。思わず応援したくなった。
二首目。グアテマラに住む作者なので、現地の子供が日本の震災を思ってくれる様子を詠ったのだろう。「スプンはあるか椅子あるか」の舌ったらずな言い方がリアル。
三首目。爽やかで若々しい歌。春はもうそこまで来ている。自転車という乗り物も効果をあげている。