気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

短歌人12月号 同人のうた その1

2011-12-08 00:31:15 | 短歌人同人のうた
草原でランチを広げる夢を見る放射能とは無縁の国で
(管野友紀)

感傷はきらい 明日の野の風を踏みしめてゆくからだが欲しい
(鶴田伊津)

まひる祭のまちを過ぎにき 笛 太鼓 一期と言ひて通り過ぎにき
(酒井佑子)

母の木を離れて一樹戦ぐなり 柿の木に柿の実の生るるころ
(柚木圭也)

鶏頭の陽に透きとおる畦道をゆきつつわれは人と遠のく
(木曽陽子)

sleepのS音はいまやさしくて、そこからすんなり眠りに入る
(生沼義朗)

ひとつまみの塩にまよひて立ちてをり厨に月のあかり入るころ
(阿部久美)

全身でをさむは父となりてをりむづかる子供にクモの巣見せて
(杉山春代)

遊戯(ゆげ)三昧放蕩三昧いずれにも縁なくおわる短かかりける
(村山千栄子)

目標はつねに長生きの駄馬である雑草の庭ひなたぼこする
(水谷澄子)

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短歌人12月号、同人1欄より。