今日の日経新聞朝刊の29面。
キャリアアップ関連の記事なのだが、「目標を定め 常に全力」という見出しが躍る。「成果を出す人の流儀は」というサブタイトルである。
この記事を読んだ人は、一体、どのような感想を持つだろう?
2人の事例が書かれているのだが、まずはサンリオの40歳の常務の話。「例えばコピーを頼まれた時」の対応だが、この常務は「書類の中身までくまなく目を通す」そうである。
その昔、「仕事のスキルは盗め!」って言われていた時代、単純にコピーをするのではなく、中身を読めとはよく言ったものである。しかし、上司が「コピーをとってくれ!」って指示されているにもかかわらず、「中身までくまなく目を通す」ようなことをしているのは、上司の意図通りのことをしていないと、人格を否定されることもあるのである。
同じ事をしていても、上司が変われば、「命令どおりに動かない使いづらいやつ」となってしまうのである。
もう1人は、もう最悪。これが天下の日経新聞か?と思うくらいの残念な記事である。日本政策投資銀行の方だが、「週平均の睡眠時間が10時間という」と書かれている・・・
一日ではない。週平均である。1日1時間35分程度の睡眠。これが日経新聞流の「成果を出す人の流儀」として取り上げる事例ですか?確かに凄い人かもしれないが、この睡眠時間を全国民がマネしたら、医療費で国家は破綻するし、電車やバスや飛行機といった交通機関では睡魔に襲われた運転手による事故が続発することだろう。
あたかも、ハードワークを礼賛するような記事を、なぜ、このワークライフバランスが叫ばれている時代に取り上げるのだろう?本当、理解に苦しむ。
そもそも、この記事にはトリックがある。そう、成功しているサイドの人間しか取り上げていないことである。同様の対応をして、過労死で死んでいる人もいるかもしれない。少なくとも、1日1時間半程度の睡眠で健康で居られる人は、そんなに多いとは思えない。
同様の対応をして、社会的に抹殺された人もいるにもかかわらず、「あえて空気読まず主張」して成功した人を取り上げて、それが成果を出す人の流儀としているのだからやりきれない・・・
無論、できるのなら、1日1時間半睡眠でバリバリ働き、成果を出し続ければいい。しかし、それを望まない人もいるわけで、公の新聞で、異例のケースを取り上げることは、ある意味、「これぐらいできるだろう」という暗黙のプレッシャーにもなりかねない。
労働者が、ブラック企業の経営者に「寝ずに働けというのですか!」と抵抗した場合、「お前、日経新聞を読んでないのか!ほとんど寝ずに働いているヤツもいるんだから、お前も2時間も寝れれば十分だろう!」と言い訳に使われる恐れが、本当にないだろうか?
そのように記事を見てしまうのは私だけなのだろうか?
キャリアアップ関連の記事なのだが、「目標を定め 常に全力」という見出しが躍る。「成果を出す人の流儀は」というサブタイトルである。
この記事を読んだ人は、一体、どのような感想を持つだろう?
2人の事例が書かれているのだが、まずはサンリオの40歳の常務の話。「例えばコピーを頼まれた時」の対応だが、この常務は「書類の中身までくまなく目を通す」そうである。
その昔、「仕事のスキルは盗め!」って言われていた時代、単純にコピーをするのではなく、中身を読めとはよく言ったものである。しかし、上司が「コピーをとってくれ!」って指示されているにもかかわらず、「中身までくまなく目を通す」ようなことをしているのは、上司の意図通りのことをしていないと、人格を否定されることもあるのである。
同じ事をしていても、上司が変われば、「命令どおりに動かない使いづらいやつ」となってしまうのである。
もう1人は、もう最悪。これが天下の日経新聞か?と思うくらいの残念な記事である。日本政策投資銀行の方だが、「週平均の睡眠時間が10時間という」と書かれている・・・
一日ではない。週平均である。1日1時間35分程度の睡眠。これが日経新聞流の「成果を出す人の流儀」として取り上げる事例ですか?確かに凄い人かもしれないが、この睡眠時間を全国民がマネしたら、医療費で国家は破綻するし、電車やバスや飛行機といった交通機関では睡魔に襲われた運転手による事故が続発することだろう。
あたかも、ハードワークを礼賛するような記事を、なぜ、このワークライフバランスが叫ばれている時代に取り上げるのだろう?本当、理解に苦しむ。
そもそも、この記事にはトリックがある。そう、成功しているサイドの人間しか取り上げていないことである。同様の対応をして、過労死で死んでいる人もいるかもしれない。少なくとも、1日1時間半程度の睡眠で健康で居られる人は、そんなに多いとは思えない。
同様の対応をして、社会的に抹殺された人もいるにもかかわらず、「あえて空気読まず主張」して成功した人を取り上げて、それが成果を出す人の流儀としているのだからやりきれない・・・
無論、できるのなら、1日1時間半睡眠でバリバリ働き、成果を出し続ければいい。しかし、それを望まない人もいるわけで、公の新聞で、異例のケースを取り上げることは、ある意味、「これぐらいできるだろう」という暗黙のプレッシャーにもなりかねない。
労働者が、ブラック企業の経営者に「寝ずに働けというのですか!」と抵抗した場合、「お前、日経新聞を読んでないのか!ほとんど寝ずに働いているヤツもいるんだから、お前も2時間も寝れれば十分だろう!」と言い訳に使われる恐れが、本当にないだろうか?
そのように記事を見てしまうのは私だけなのだろうか?