そろそろ2023年度大学院修士全科生の入学者選考結果がでるころなのでしょうが・・・
修士論文に追われている状況にもかかわらず、ついつい、2022年度=前年度の選考結果を分析してしまいます。そう、わたくし、集中力が長続きしないし、飽きっぽい性格。ゆえに、修士論文に集中することは難しい、、、
まず、2022年度の大学院修士全科生の選考結果は以下の表の通りです。
一見、「合格率が最低で1.47倍、最高で7.77倍、平均でも2.61倍だから合格厳しいじゃん」って思えるかもしれません。でも、その見方は間違っています。正しい見方は「募集人員に対して出願者数が何人いるか」です。出願者数が募集人員を上回っているのは「人間発達科学」と「臨床心理学」と「人文学」の3つのみ。それ以外のプログラムなら「放送大学大学院の求めるレベルさえクリアしていれば、他の受験生がどれだけ優れていようと全員合格できる」のです。いわば、合格率100%となります。「臨床心理学」は30人募集の30人合格なので合格率7.77倍は同値ですが、「人間発達科学」は136人/60人=2.27、「人文学」は120人/90人=1.33倍と見た目より合格率は低くなります。だから、合格率のトリックに惑わされて受験を躊躇するのはもったいない。
あと、本当のことを言えば、合格者0人という事態がなければ、誰かが合格しているわけなので、自分自身で完全に学んでいれば、たとえ合格率30倍であったとしても合格への道は拓かれているわけです。無論、私のような付け焼刃の学びでは合格はおぼつかないですが、一途に学び続ければ合格できないわけはありません。
ただ、大学院のレベルは大学とは違います。「大学での卒論必須」の大学院を目指すのに、卒論なしで闘うのは戦略が間違っています。どんなに頑張っても合格できません。私の場合、結果オーライだったのですが、私は最初の大学院の産業能率大学大学院に合格困難な立場でした。なんせ、職場の推薦状がもらえない。しかし、産業能率大学を卒業見込みだったことが非常に大きなメリットでした。大学では200単位取得していましたし。あるいは、大学と大学院を掛け持ちしている先生もおられて、ひょっとしたら何かしら影響があったかもしれません。武蔵野大学大学院の仏教学専攻を目指した時には、入学説明会に行った際、なんと面接官が研究科長の先生でしたから。その中で色々話せたことで、合格を一気に引き寄せたのでは・・・と思っています。
コツコツ勉強するのも尊いことなのですが、社会人大学院生目指すなら、志願する先生の学外のイベントに参加するとか、投稿論文を出しておくとか、研究室の訪問ができないか確認するとか、動けるところは動いておかないと。先生の著書を読んでおくのも事前に出来る対策だろうし。
大学院修士生活は2年のように見えて、実はその前に研究計画書を作成したり、文献を探したり、文献を読んだり、イベントに参加したりと、出願前の準備が大きな影響を与えます。その事前準備が、入試の口頭試問で力を発揮するわけです。
何かと「出来レース」がありうるアカデミックの世界。「そんなのズルい!」って言うのは簡単ですが、それなら普通の大学院で「内部進学者」が大きなウエイトを占めることすら「不正だ!」と言われかねません。学部の成績上位何名までは××先生の研究室に入れるというルールは存在するわけで。事前に努力するかしないかは自分自身の自己責任、そして、その努力をどのように判断するかは指導教官次第です。
大学院修了のための修士論文に取り掛かりつつも、大学院入学のことを、ふと思った次第。そして、どのように努力するか、努力しないかもあなた次第。