Weblog喫茶 モンブラン

日常のあれこれをのんびり綴っています

マツダ・CX-7 チョイ乗りインプレッション:クルマフェロモンとは何か

2007-02-18 23:50:27 | 実はクルマ好きです

モンブランへご来店の皆様、こんばんは。
昨日のアルファロメオ・アルファ159のチョイ乗りインプレッション記事が、思いのほかご好評いただいて、ありがたい限りです。

温かいコメントの数々をいただいているとはつゆ知らず(^^;、
今日は東京マラソンがあったので都内に出るのはやめておこうと思い、それじゃー159の印象が残っているうちにもう1個行ってみますか!と、ぱぴりお氏と二人で本日もクルマの試乗に出かけてきました。

実は最初、今日の試乗は別のメーカーのクルマを考えていたのですが、結構近くにディーラーさんがあったので、マツダの新しいSUV「CX-7」の試乗に行ってきました。

このクルマは、北米で昨年4月に先行発売され、日本では昨年12月に販売開始。
「DISIターボ」という、直噴ターボにスーパーチャージャーがついた、低速トルクの優れたエンジンが売りです。

試乗したのは4駆の、「Cruising package」。CX-7の最上級グレードです。
税込み価格、約390万円。

フロンドウインドーがかなり傾斜していて、スポーティーな印象を与えます。北米・欧州での高速走行を考慮して、空力上こういう傾斜にしたのだとか。
視界が狭くないかと思いましたが、乗ってみるとSUVなりに車高が高いので、意外と視界は良好。
ちなみにフロントグリルの黒いハニカムは、やっぱり強化プラスチックです。(^^;

シートはセミバケット、レザーです。
インパネはすっきりあっさりシンプルで見やすく、標準装備のカーナビの画面も大きくクリアでいいですね。
内装の黒のプラスチック部分は、可もなく不可もなくといったところでしょうか。典型的日本車の作りですね。
フロントシートはやや天井が低い印象(私の座高が高いのか・・・)ですが、リアシートは頭上に余裕があります。
上でも書きましたがフロントウインドーがかなり傾斜しているので、前席の天井の高さが稼げないのかもしれません。

さて、それではいよいよチョイ乗りに・・・。
ぱぴりお氏の運転で、例によってお店の周りを3kmくらい走ります。

まず感じたのは、キャッチコピーの低速トルクの良さ。
昨日のアルファ159が、発進のたびに非力感を味わわされたのに比べると、スルスルーっと難なく出て行く感じ。
車高もありますから、力のある大きな動物に乗っているような余裕はありますね。
ATの変速ショックもないので、そういう意味では街乗りには159より明らかに向いているでしょう。

回頭性も問題ありません。
ただ、ボディはしっかりしているのですが、サスペンションが多少柔らかいのか、カーブではふわんふわんと沈みすぎる感じがしました。もっと硬くてもいいかな。

とはいうものの・・・。
全体に無難にまとまっており、アルファ159で不満だった低速トルクもばっちりなのですが、どうもインパクトがないんですよ。

このクルマでもっとどんどん走っても、この試乗以上の新しい面白さは、きっと見えてこないんじゃないかなーって思ったんです。
エンジン音もそのひとつですね。静かなんですが、少し回してみてもあまり「そそる」音がしませんでした。
大きな欠点はないのですが、降りてしばらくするとすっかり印象を忘れちゃうような、「また乗りたいな~」と思わないクルマというか・・・。
大変参考にはなりましたが、購入候補からは外れるタイプでした。

アルファ159、そしてマツダCX-7という2種類のクルマを乗り比べてみて思ったのは、「スポーティ」という言葉を宣伝に使っていても、その目指すところ、買って欲しいターゲットは全く違うということです。

アルファ159は性能面では不満も多いクルマですが、それを上回るかもしれない強烈なフェロモンが感じられます。
ある種のヒトをものすごく惹きつけるような・・・。
クルマフェロモンとでも言いましょうかねー。
CX-7では、私にはそのフェロモンが感じられませんでした。

マツダはずっと「ロータリーエンジン」という、結構強めのクルマフェロモンを持っていて根強いファンも多かったのですが、いったん姿を消し、今のRX-8で奇跡的に復活継承できているのみ。

水素エンジンなど、次世代のエンジンが出てくればもしかしたらロータリー技術も生きるかもしれませんが、ガソリンエンジンの時代が続けば、ロータリーはまたなくなるのではないかと思います。
そうするとマツダは、独自のフェロモンをなくしてしまうんじゃないでしょうか。

マツダブランドの新たなエッジを早く立てたい。
(旧ユーノス)ロードスターはさすがに年季が入ってしまったし・・・。
そんなマツダの苦悩が、このCX-7には隠されているようでした。

また来週、違うクルマに試乗してみようと思います~。