その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ゴールデンウィ-クおでかけ(倉敷・高松・岡山)(1)/ 大原美術館

2014-05-06 14:09:27 | 旅行 日本

≪美術館入口≫

 ゴールデンウィ-クを使って1泊2日で、倉敷、高松、岡山と廻ってきました。真っ先に向かったのは、今回の一番の目的である倉敷の大原美術館。一度、どうしても訪れたかった美術館です。


≪入口にはロダンの彫刻≫

 丁度良いタイミングで、学芸員さんによる無料ガイドツアーが始まるところでしたので、参加しました。個々の絵の解説というよりも、所蔵のコレクションの紹介にあわせて大原美術館の歩みを説明してくれるものです。倉敷紡績の2代目社長大原孫三郎が出資し、同世代の西洋画家児島虎次郎が収集したコレクションをベースに1930年に開館して現代までの大原美術館の物語は、西洋美術を日本に紹介しようとする二人の並々ならぬ情熱を感じるもので、コレクションに劣らず大いに魅かれるものでした。

 コレクションは近現代の西洋美術を集めた本館に加え、岸田劉生ら日本人画家の作品を展示した分館、版画家棟方志功の作品などを展示した工芸・東洋館、さらには徒歩で5分弱程離れたところにある児島虎次郎記念館と、ゆっくり回れば優に2時間を超える内容です。私には、目玉のエル・グレコの「受胎告知」、モネ「睡蓮」、ゴーギャン「かぐわしき大地」を初め近現代美術のエッセンスを概観できる本館はもちろんですが、収集だけでなく様々な様式を探求していたように見える児島虎次郎の絵画も興味深いものでした。


≪児島虎次郎記念館の入口≫

 ゴールデンウィ-クの中日ということもあり、館内はかなりの鑑賞者で埋まっていましたが、東京の美術展に較べれば比較にならないほどゆったりと鑑賞できます。「工芸館の棟方室の床は、普通の瓦に釉[うわぐすり]をかけてやいた黒光りする艶やかな床」(美術館HPより)や米蔵だったという工芸・東洋館など、建物めぐりの面白さもあります。

 予期せぬ「当たり」は本館から分館の間にある庭とその庭を見渡せる倉敷市所有の木造家です。その座敷に上がって、庭を眺めていると、美観地区の喧騒を一切忘れる落ち着いた気分が味わえます。新緑の緑が、陽に反射し、心地よい眩しさです。ここは、おススメ。


≪庭≫


≪大広間からの眺め≫

 なお、大原美術館は共通一般券が1300円ですが、ホームページでアンケートに記入し、印刷して持っていくと1100円に割引になります。割引分で、気に入った美術館のポストカードも買えますから、如何でしょうか?


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