その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

7月渋谷らくごで初めて浪曲を楽しむ @ユーロスペース 

2024-07-17 07:18:24 | 日記 (2012.8~)

2ヵ月ぶりの渋谷らくご。今回は2つの収穫があった。

一つは、初めて浪曲をしっかり聴けたこと。過去に寄席で聴いたことはあったものの、落語の間のリラックスタイムみたいに捉えていて、(失礼ながら)正対して聴いたとは言えなかった。今回、会場のユーロスペースのこじんまりとして、音響良き空間、しかも前列4列目と言うこともあって、初めてガチに聴いた。

浪曲師玉川太福さん、中川みね子さん三味線による演目は天保水滸伝から「笹川の花会」。浪曲の世界では代表的な作品のようだが、私自身は予備知識は殆ど無し(登場人物の国定忠治だけ知っていた)。それでも、緊張感溢れるストーリー展開、唸らせる顛末、痺れる太福さんの低音など、想定外の感動だった。三味線と合わせて、これは簡易版ミュージカルなのね、と理解。今の時代、愛好者は減っているのだろうけど、過去から人々に好まれてきただけのことはあるのだなと納得した。

二つ目の収穫は、夏落語の効用。今回の落語は夏にかかわる噺が3つ。勢いある三遊亭兼太郎さん、確実に笑わせてくれる春風亭昇昇師匠、端正で正統派の隅田川馬石師匠と、いずれの方も私にはお初で、三者三様の芸を楽しんだ。エアコン効いたユーロスペース内と言う身体的涼しさに加えて、花火と言った夏の風物詩や夏の蔵に保管されているみかんや鯉のあらい、冷酒と言ったネタを想像しながら話を聞いていると、心理的にも涼しくなる。外は蒸し暑さで不快指数100%。暑いときには落語で避暑という新しい楽しみを見つけてしまった。

 

2024年4月14日 14:00ー16:00

三遊亭兼太郎 たがや
玉川太福、中川みね子 天保水滸伝から「笹川の花会」
春風亭昇昇  千両ミカン
隅田川馬石師匠  青菜


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