その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

Prom 13: ヴェルディ/ レクイエム (Verdi/ Requiem)

2011-07-26 22:21:55 | コンサート (in 欧州)
 Promsへヴェルディのレクイエムを聴きに行った。レクイエムはモーツアルト、ブラームス、フォーレなどは聞いたことがあるが、ベルディのレクイエムは録音も含めて全くの初めて。指揮者は、昨年冬にROHでタンホイザーを聞いたセミヨン・ビシュコフ(Semyon Bychkov)、歌手陣もマリーナ・ポプラフスカヤ(Marina Poplavskaya)などが出るので期待の公演。

(今日も美しいロイヤル・アルバート・ホール)


 開演15分前に入場したら会場は既にほぼ満員。金曜日に行ったアリーナも一杯で全員が立っている。金曜日の公演では、寝ていたり、座っていたり人がいたのは、ただ空いていただけなのだと理解。凄い熱気である。

(会場が狭く見えるほど人で一杯)


(今日はBOX席です)


 公演は期待通り素晴らしいものだった。何といってもコーラスがすごい。バックステージを占拠したBBCシンフォニーコーラス、ウエールズBBC国立コーラス、ロンドンハーモニックコーラスの3つの団体、総勢400名を超えるコーラスの迫力は凄まじかった。あの大きなロイヤルアルバートホールに美しい合唱が響き渡り、特に、有名な第2楽章(?)の「怒りの日」のコーラスには背筋が寒くなるほどの戦慄を覚えた。ただ単に人が多いからヴォリュームが大きいわけではない。これだけの人数の合唱が見事に揃い、一つの有機体として、美しいのである。このコーラスには、独奏陣も色あせるほどだったと思う。

 独奏陣はソプラノのマリーナ・ポプラフスカヤとテノールのジョセフ・カレヤが印象的。ポプラフスカヤは透き通るような清らかな声が美しかったし、カレヤは甘い歌声というよりは、安定感のある落ち着いたテノールで、とっても好み。

 指揮のビシュコフもオーケストラ、独唱陣、合唱をとってもうまくまとめていると思った。BBCシンフォニーは相変わらずの好演。第2楽章の舞台外からのトランペットがアルバートホールに響きがなんとも美しい。確かに、これがレクイエム?という程、この曲は劇的な激しさに満ちているが、ビシュコフとBBCSOの演奏は美しく透明感があり、劇的だけどやはりこれはレクイエムなのだと納得した。

 コーラス、独唱、オケと3つの役者が揃いそれをビシュコフが見事にさばく。久しぶりに胸が熱くなる感動を覚えた公演だった。

(終演後)


(400名を超えるコーラス陣)


(合唱指揮者たちも交えて)




Prom 13: Verdi – Requiem

Sunday 24 July
7.00pm – c. 8.40pm
Royal Albert Hall
Choral music and singing events

Verdi
Requiem (86 mins)
Marina Poplavskaya soprano
Mariana Pentcheva mezzo-soprano
Joseph Calleja tenor
Ferruccio Furlanetto bass
BBC Symphony Chorus
BBC National Chorus of Wales
London Philharmonic Choir
BBC Symphony Orchestra
Semyon Bychkov conductor
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