南無煩悩大菩薩

今日是好日也

「反芻する」の比喩で、プレッシャーをストレスにしない考え方

2017-08-24 | 古今北東西南の切抜
(gif/source)

・・・プレッシャーはストレスではない。しかし、プレッシャーにある要素が加わると、それはストレスに変わる。その要素とは「反芻」、すなわち、過去や未来の出来事を負の感情を伴いながら繰り返し考え続ける傾向である。

もちろんリーダーは、将来の計画を立てたり過去の教訓を振り返ったりするなど、内省する必要がある。しかし、これは分析的な短時間のプロセスであり、プラスの効果をもたらすものだ。「反芻」は継続的で破壊的な行為であり、健康状態や生産性、幸福感を低下させる。慢性的に悩んでいる人は冠状動脈疾患にかかりやすく、免疫力が低下する。また、過去や未来ばかりを気にするため現在から引き離され、目の前にある仕事を完遂できなくなる。「反芻」する者にどのような気持ちかを尋ねてみると、「幸福だ」と答える者は一人もいないだろう。そのほとんどは悲惨な気持ちでいるのだ。

「反芻」を打破する四つのステップ

-覚醒する- 
人間は一日のほとんどを「覚醒的睡眠」と呼ばれる状態で過ごす。朝、職場の駐車場に車を入れる時、そこまでどのように運転してきたかを覚えてはいない。あるいは、会議で誰かに意見を聞かれたとき、話し合いの最後の数分を聞き逃してしまう。すべての「反芻」は「覚醒的睡眠」の状態で起こるので、第一のステップはこの状態を脱することである。それは物理的に実行できる。立ち上がるか、姿勢正しく座り直し、手を叩いて体を動かす。あるいは、心の中でこれを実行することも出来る。いま何が聞こえるか、何が見えるか、どんな匂い、どんな味がするか、何の感触があるかを観察し、自分の感覚を意識化する。これは、世界とのつながりを再び確立することだ。

-自分の注意力をコントロールする- 
「反芻」している時、あなたの注意力はハムスターの回し車のような非生産的な堂々巡りに陥っている。有益な行動を起こせる領域に自分の注意力を向け直す必要がある。企業幹部に勧めているのは、次のような方法だ。紙の上に円を一つ描く。自分がコントロールできること、影響力を行使できることをすべて円の内側に、できないことをすべて外側に書き出す。外側に書いたものについては、自分の仕事、チーム、家族に関する問題であっても、気にはかけても、思い悩むことはない。それを忘れてはならない。

-大局的にとらえる- 
「反芻」する者は些細な出来事を大事と見なす傾向があるのに対して、再起力(レジリエンス)のあるリーダーは自分自身やチームのために物事を大局的にとらえる。その為のテクニックとして、「対比」「自問」「再構成」という三つの方法を教えている。対比とは、過去のストレスを現在のものと比較する方法であり、たとえば、いま患っている重病と過去の販売の失敗を対比する。自問とは、「これは今後三年でどれくらい重要な問題となるか」「起こり得る最悪の事態は何か」「どうやって生き延びるか」と自らに問う方法である。再構成とは、自分が置かれている難局を新たな角度から見直す方法であり、「この状況において私がまだ気付いていない、どんなチャンスがあるか」、さらに「この状況の面白い点は何か」とまで考えてみる。

-あるがままにまかせる- 
多くの人にとって、最後のステップが最も難しい。あるがままに任せられるくらいなら、すでにそうしているはずだ。これには、次の三つのテクニックが役に立つことがわかっている。一つ目は受容、すなわち、その状況を好むと好まざるとにかかわらず、状況は変わらないと受け入れることである。二つ目は教訓を学ぶことである。人間の脳は出来事について、そこから何かを得たと感じるまで振り返り続けるものだ。そこで、「この経験から私は何を学んだか」と振り返ってみよう。三つ目は行動である。時に正しい解決法とは、リラックスすることではなく、状況に対して何らかの行動を起こすことだ。「ここでどんな行動が必要か」と自問しよう。

-切抜/ニコラス・ペトリ Nicholas Petrie「D.H.B.R.september 2017」より-
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 途中の極楽 | トップ | 轆轤を回す »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

古今北東西南の切抜」カテゴリの最新記事