南無煩悩大菩薩

今日是好日也

無言の行

2019-01-03 | 有屋無屋の遍路。
(photo/source)

無住和尚の短編集に「沙石集」なるものがある。

そのなかの「無言上人ノ事」の一節に、「無言の行は無言の行である」と説明すればすなわちそれは「無言の行」ではなくなったと説く。

「無言上人ノ事」とは、ある山寺に四人の上人があり、共に座を並べて七日間の無言の行を始めたが、夜更けて灯が消えようとしたとき、まず下座の一人が承仕に火をかき上げよと口を開き、ついで次の一人が無言の道場にあってものを言うなと口を開き、第三の座の一人がこの二人を指して、二人ともものを言ったとして自分自身も口を開き、最後の一人も自分ばかりはものを言わなかったと、口を開いてしまうことを云う。

-引用/古田紹欽「仙厓」より

無いとすれば在ることへの欲望に囚われ、在るとすれば無いことへの執着に捕われる、哉。

無言に(言葉を見出せば)言あり、無音に(調べを聞き取れば)音あり、乎。

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2 コメント

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煩悩先生へ (sugiura)
2019-01-06 14:51:20
コミカルな狂言を見るよう。家の中の静寂に耐えられず聞きもしないラジオを鳴らしている。が親しい客の正月も苦しい。全てが目標のない修行のよう。
sugiura様 (煩悩)
2019-01-08 00:15:11
目標のない修行ですか。

それはそのものではありませんか。

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