NOISELESS

2013-06-13 | 日記

杉の大木の陰に、朱色の鳥居が見えて、ここは村の鎮守の杜である。毎日暑い日が続いているが、ここでは日陰が濃くて涼しいのである。そしてまた一人、近所の老人が死んだ。今夜のウォーキングは八時ころだったが、まだ西の空が雲間に輝いていたし、遠くにあるライトのように、大きな星が一つ光っていた。八時過ぎてもまだまだ夕暮れの時間だったのである。昼間の熱気が残っていたが、刈谷田の清流がさらって行く。清流の響きが一日の終わりを教えてくれるのだった。

新しく虚しくなった老人の 「 まくら念仏 」 の、乾いた鐘の音が聞こえる。混声の声明は夜を一層もの悲しくしていた。バックコーラスはこの時期、蛙である。このでは、音ほど静寂を感受させるものはない。