13日にお墓参りに行けなかったから、昨日の昼前に行ってきた。杉の森に囲まれた墓所で、少し不便なところにあるが、これはこれで墓所に相応しいところだと思う。墓所と言えば、スウェーデンの建築家・アスプルンド(1885-1940)がデザインした有名な「森の墓地」があるが、こんな田舎の雑木の森の中でもイメージは「森の墓地」である。そのアプローチがここに掲載した写真である。しかしこれは写真写りがいいばかりでなく、大分実際とはかけ離れているが、こういう過疎の寒村にもアスプルンドがデザインしたような墓地ができればおもしろいかな、と思う。という妄想を抱きながら、田圃のあぜ道を歩き、用水に架けられた朽ちた材木を渡り、熊の糞が落ちている狭い獣道の藪を通り、去年に落ちた杉の小枝に躓きながら、菊花と蝋燭と線香とヤカンに汲んだ水を持ちながら、薮蚊に刺されながら、小さな墓所へと急ぐのである。