夜のシジマに虫の声を聴きながら…昔に読んだ文庫本を再読する。何処へとでもなく、思い出すこともなく、また別の何かがうごめいて、コスモスが揺れて、鳴いているのは虫ばかりではなかった。
下記は就寝前に読んだ寺山修司 ( 1935-1983 ) 著 『 寺山修司少女詩集 』 の一節で、 「 少年時代の私には眠り姫がなぜ美しいのか謎であった 」 という長いタイトルがついている。
美しい女には、どこかわざとらしさが必要である。 化粧、饒舌、技巧、仮面 ― そして、そのかげにひそむ、はっとするほど無垢の心。遊びのきらいな女に、美しい女はいない。詩を解さない女、ベッドのきらいな女にも、美しい女は、いない。
「 美しい女とは、美しい女になろうとする女のことである 」
「 美しいと思う女は、…、つまり、ほんとに眠ってる女じゃなくて、眠ってるふりをしている女だよ 」
少年は夏の別荘地で、ボンネットをかむって寝ている美しい人妻に出合った。そっと頬に触れてみると人妻は眠っているのではなく死んでいたのだった。ミステリアスな散文詩である。
下記は就寝前に読んだ寺山修司 ( 1935-1983 ) 著 『 寺山修司少女詩集 』 の一節で、 「 少年時代の私には眠り姫がなぜ美しいのか謎であった 」 という長いタイトルがついている。
美しい女には、どこかわざとらしさが必要である。 化粧、饒舌、技巧、仮面 ― そして、そのかげにひそむ、はっとするほど無垢の心。遊びのきらいな女に、美しい女はいない。詩を解さない女、ベッドのきらいな女にも、美しい女は、いない。
「 美しい女とは、美しい女になろうとする女のことである 」
「 美しいと思う女は、…、つまり、ほんとに眠ってる女じゃなくて、眠ってるふりをしている女だよ 」
少年は夏の別荘地で、ボンネットをかむって寝ている美しい人妻に出合った。そっと頬に触れてみると人妻は眠っているのではなく死んでいたのだった。ミステリアスな散文詩である。