高徳寺跡
お昼ころ、土田邸に同い年の同じ高校を母校とする既に先の見えかかった男女各五名が参集した。実に、 “ あれから40年 ” だったのである。お料理はかつてのうら若き女子高校生たちの手になって、お料理ができるまで僕らかつての紅顔の男子はただウロウロしながらグラスを並べたり、ウロウロしながらお皿を並べたり、それにお酒の用意は勿論的確だった。ここにおしゃべりの内容は省略しなければならないが、気付いた時間はもう五時を廻っていたから、読者よ! ワカルデショ。 そして次回を約し、名残を惜しんで散会しなければならなかったのである。それぞれに “ あれから40年 ” を抱えながらも、生れも育ちも風土を同じくする未だ色あせないセピアの時間だった。
今ここに不在のひとを思いつつ失われた時よグッバイ・ハロー
写真の苔むした地蔵は、土田邸の数軒隣にあった高徳寺というお寺の跡にボーゼンと鎮座していたのだった。廃寺になって “ あれから何年 ” たったかは知らないが、絡みついている苔はこれから冬に向かっての暖かい緑のコートであればいい … 。合掌