“ bird ”

2016-02-29 | 日記

    

きのうの朝。久し振りに朝日の当たる部屋になった。背景を桃色に塗って、青いリボンをつけた白い鳥のポートレートを、その日早起きをして描いた。白は雪の白で、また鳥は白い鷺である。純白の雪に朝日の光りがキラキラして、まるで宝石箱を覆したような光景に大きな白い鷺が何処かへ飛び立って行った。雪の上には何も餌がなかったからである。その白い鳥を、桃色の背景が僕のスケッチブックに記憶する。

         桃色は喪失のかけらを記憶する雪の白さの儚くなりぬ

 


雪融け

2016-02-28 | 日記

         

今朝のいい天気に、田んぼに積もった雪が融けている。陽の当らない場所ではまだまだだが今年は雪が少ないので、こんないい天気が続けば、あっと言う間に雪はなくなってしまうだろう。これから三月は残雪という春の雪を惜しもうか … 。夜になって、外気が気持ちよく、星も輝き始めた時間に、すこし夜の散歩をした。

           春浅き乾いた道の星の夜遠く崩れる雪の音して

 


古い写真帖

2016-02-27 | 日記

     

柏崎に行く予定で出かけたのだが、途中、予定を変更して大積町の国道8号線脇にある古道具屋“二の字”に寄ってみた。久し振りだったので店内のアチコチを物色していると、和綴じのきれいな冊子があった。それがこの掲載した写真の『国幣中社弥彦神社写真帖』で、大正六年発行の本であった。新潟県内の観光名所としては最も人気がある弥彦神社の、100年前の姿を写しているのである。建築文献としてもたいへん興味ある写真帖だと思う。万葉集にこういう歌がある、という。

          伊夜彦のおのれ神さび青雲の棚引く日すら小雨そぼふる

 


「描いてどうなるのか」

2016-02-23 | 日記

               

安田謙一著『神戸、書いてどうなるのか』(ぴあ出版)なる本が気になって、食堂でランチ弁当を待っている間にメモったのがここの店の箸袋で、雑誌を捲っているとこの本が紹介されていたのである。神戸の街の面白さを綴っている本である、という。日曜日に本屋まで行って在庫を調べてもらったけど … なかった。それで、掲載の絵は何?ということになって僕も何の絵か分らないけど、タイトルを付けるとすれば何だろう、それで「描いてどうなるのか」というタイトルにしてみようか … 。

 


夜の壷

2016-02-22 | 日記

       

机の前に座っていると、脇机に置いたこの大振りな白磁の壷が目に入ってきて数分は眺めて、この数分間が一日の尖った気分を収め、穏やかにするのである。とても不思議な時間で、時間が止まったような錯覚をする。 “ 眼福 ” とはこういうことを言うのだろうか。形といい、肌の艶とか朴訥な風合いが部屋の空気を何んとも柔らかくしているのは、この夜の壷である。