一灯だけの夜景

2015-06-29 | 日記

      

家の前の道路からのスナップ。街灯だけがヤケに明るく写っているし、7時半を過ぎても西の空はまだ明るかったので、偶には白夜と見紛う夜があってもいいかも知れない。昨日の雨のせいで、今夜は微風でさえも清流である。夕食を済ませ、風呂上りにまた外に出た。今度は水田の暗がりにホタルの明滅が金の雫と見紛うのだった。夏の夜の暗闇はワキであり、小さな光りがシテである。ここで唐突にも、寺山修司の 「 私のノオト 」 にこんな言葉がある。

今日までの私は大変 「 反生活的 」 であったと思う。そしてそれはそれでよかったと思う。だが今日からの私は 「 反人生的 」 であろうと思っているのである。 1962年夏 小諸にて

 


居室

2015-06-27 | 日記

      

堀之内から十日町に向かうルート252号線の脇に、御堂の物件があった。以前にはこの屋根は茅葺かなんかだったのだろう。遠くから見ると、雨上がりの美しい山野に囲まれた、水田に浮かぶ浮御堂のように見えたから、車を止めて写真に撮った。二間三間くらいの大きさの程よい、僕が思うに、居室にはモッテコイな建物で、また一間の茶室にしてもいいし、小さなカフェでもいいしである。周りには縁側を設えてもいいのである。いつか、水田が広がるロケーションの中に、こんな小さな “ 方丈の庵 ” を結んで見たい、と思う。

             夏の水閉めてある窓の寂しき

 


“nendo”というブランド

2015-06-26 | 日記

        

2013年10月15日発行 ( No347 ) の 『 pen 』 の特集は “ who's nendo ? ” というのだった。先日のNHK・TVの新日曜美術館で尾形乾山を放映していたが、その時のゲスト解説の方がこの nendo というデザイン会社の社長なのである。この雑誌を見ると、世界的に引張ダコで、彼らのデザインが人々を虜にしているのが分る。その一覧を紹介したのが 『 pen 』 なのであった。最近の出歩きには、このペンならぬ 『 pen 』 をカバンの中に突っ込んで出かけるが、時間の空いた時に見ては、けっこう僕も虜になっているのである。どのデザインにも共通しているように思うのは、発想がヒューマンな感じがする。柔らかく、使いやすそうで、いじらない素直なデザインだと思う。実に言い得ている、「 なんかいいよね、ネンドって。」 と思わずにはいられないのである。とても僕には思いつきそうもない難度の高い感度のいいネンドである。水彩的でソフトでパステル的で、なんかいいんだよね … 。

 


JINRO

2015-06-24 | 日記

          

眞露株式会社 ( 東京都港区六本木4-4-8 ) の大韓民国製のアルコール成分20度の焼酎。所謂コーリアン・リキュールで 「 ♪ ジンロは続くよどこまでも … 」 という韓国焼酎である。今夜の夕食は冷やし中華だったから、一杯いただくことにした。氷をザックリ入れて、麦茶で割って JINRO の冷たさと甘さを嚥下する。窓の外を見ると、もう月が高く上っていた。今夜は上弦の月である。窓を開けると心地いい風が入ってきて眞露が甘露になるのである。夏の夜は一本のビンが、僕をして夜の豊饒へ誘う。夏の夜の夢にタブーはない。

              夏の月アリス・プランの半白桃

 


写真展『島影』

2015-06-23 | 日記

        

今月22日から東京・茅場町の森岡書店で、白石ちえこさんの個展が7月4日まで開催中である。先日ご本人から案内状が送られてきた。同時に写真集『島影』(¥4,104税共 蒼穹舎)が6月16日に発行されている。永遠にたどり着くことがない記憶の底には、その「島影」がゆらゆら漂っている、だろうか。