晩秋の田んぼを背景にして、フェルナン・レジェ (1881-1955) の展覧会カタログを撮った。この薄い冊子は1962年5月にパリの有名なベルグルアン画廊より発行されたもので、このシリーズの冊子は1000部限定でどれも版型を同じにして、それも印刷はポショワール版画で、かのダニエル・ジャコメ (1894-1966) の手によるものである。僕は今のところピカソとクレーのものをそれぞれ所蔵しているが、他にもマチス、エルンスト、ローレンスなどのものを古書目録などで稀に見かけ、欲しいと思うが値段もいいので、いずれまた巡り合った時にでも買えたらと思う。ピカソとクレーのものは額装して飾っていて、このレジェもやっぱり額装して並べようと思う。彼らマイスターのオリジナル作品など逆立ちしたって何したって到底手に入るものではないから、せめて冊子を作品代りにして気分を出すのである。気分が出ると、何故かしらちょっと豊かになる。そして、豊かさというのは自分自身の気持ち次第だ、ということがよく分かるのである。