欅心庵にて

2013-06-05 | 日記

         

鈴木邸のお茶室 「 欅心庵 」 にてランチのお弁当をいただきながら、茶室の床の間に ジョセフ・コーネル ( 1903-1972 ) のコラージュ展の案内カード ( レオ・キャステリ gallery で開催された大変珍しいカードである ) を掛けさせていただいた。19世紀ドイツの歌姫ヘンリエッテ・ゾンターク ( 1806-1854 ) の肖像画をコーネルが引用したものである。床の花はローズである。写真の写りはあまり良くないが、しかしこれはこれで茶室の雰囲気を一変させたが、茶の精神は一つの 破調であり、いつの時代においても一つのモダニズムであるだろう。茶室とは、言ってみれば新しい思考を生成するための、静謐で内面的な実験室なのである。また、茶室における静謐のその本質はエモーションである、と言ってもいいと思う。

       

「 欅心 」 は松岡譲 ( 1891-1969 ) の命名と聞く。ケヤキのココロというのが何を意味するのか、分からないけど、欅のように、ということなんだろうと思うが …。またこのレトロな住宅全体のことを 「 欅中居 」 というのである。神社の境内にあり、大木の欅が林立しているから今日のような暑い日差しでも、家じゅうの戸という戸を開け放して、涼風であった。