机上のノヴェンバー

2013-11-30 | 日記

もう今日で11月も終わりである。今夜は久しぶりに雲は遠くに行き、星が輝いている。しばらく見上げていようと思ったが、やっぱり外は寒いので暖かい部屋で本でも読んで寝ようか … 。この写真で一番奥にある幅広の薄い本は、昭和62年5月に長岡市中央図書館・美術センンターで開催された 『 大光コレクション里帰り展 』 の展覧会カタログである。表紙の絵はルネ・マグリット作 “ ROSEAU ” ( ロゾーとはフランス語で葦のこと ) 。なぜ、マグリットは岩石に植物の単語を刻んだのか?

    

12月6日 ( 金 ) 夕方、東京画廊を開設された山本孝のご子息が来岡されるという。昨夜、長岡現代美術館 ( 日本で最初の現代美術館という ) を作った駒形十吉を祖父に持つ駒形豊氏からそのお話を伺った。大光コレクションというのはこの長岡現代美術館のコレクションのことである。それでこのカタログを掲載して見た。

 


何を書くべきか …

2013-11-28 | 日記

       

今日、一通の封書が届いた。ご自身の絵日記を郵便ハガキにしたものが数枚と、やはり自作になるボックスアート作品の写真が一葉同封されていた。どれも最近の作品であるという。そして同封されているどれもが楽しく描かれているのであり優しく明るいものであった。しかし同時にどれもが悲しみを滲ませているのだった。また、悲しいけれど生かされている、というご本人の喜びも同時に伝わってくるのである。悲しみの中に神秘があり、神秘の中に喜びがあるのである。それを僕らの言葉で、人生、というのではないだろうか。僕はこの手紙に返信できそうもない、ただ有り難く受け取るのである。

 


Anjin

2013-11-27 | 日記

            葉っぱをかたどった Anjin のショップカード

東京・代官山 「 蔦屋書店 」 の二階にあるカフェ “ Anjin ” 。 ご存知の、インテリアが本に囲まれた素敵な空間である。未だ若い友人の建築家の案内でこの蔦屋書店を見て来たのである。思ったより大きい空間だったし、いろいろなアミューズメントがあってそれなりに一日十分楽しめると思う。恵比寿駅から代官山まで歩き、また歩いて駅まで戻る道は僕にはなつかしい道だった。

 


返却しなければ…

2013-11-23 | 日記

                  

志村ふくみ著 『 薔薇のことぶれ  リルケ書簡 』 ( 2012年12月 人文書院刊 ) の表紙。この本は明日、借りた女性に返却しなければならない。僕にくれないか、と言っては見たが、自分でも座右に置きたい本であるというのだった。もう借りてから半年が過ぎてしまった。で、この本の内容は、と言うと、この帯に書いてある通りなのである。曰く 「 奇跡的にのこされたおびただしい書簡群 ―  絶望と懐疑に翻弄され存在の試練にたゆたう詩人の姿と、リルケを愛しリルケに愛された稀有な女性たちに想いを寄せる 」 、と言う。

 こうしてリルケの書簡を読んでいる時、私は全く別のリルケを感じる。彼のとり乱した苦悩にあえぐ姿を読者は知らない。 … まことに天才は測りがたい。生身の人間であることを忘れて、われわれはその作品のみをみとめようとするが、その背後に傷だらけのみじめな人間がじっとたたずんでいる。黒い鉄格子のはりめぐらされた現世の暗い室内から、夜空に時折光彩を放つ群星のような詩が生まれるのだ。幸か不幸か、私はこの書簡集に出会ってしまった。  ( 本書より )