愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

見直し・改善

2023年07月16日 | 名古屋マーケティング・インカレ
7月8日土曜日に愛知淑徳大学において名古屋マーケティング・インカレ第1回中間発表会が開催されました。34チーム総勢150名が発表しました。うちのゼミからも3年生4チーム13名が参加しました。今回は4年ぶりに中間発表会においても懇親会が開催されました。これでようやく平常に戻りました。

いつものように,今後どのように展開するかという決意表明にとどまる発表内容が大半でした。一部インタビューやアンケートなどの1次データ収集を行っているチームもありましたが,テーマが未確定であるため,それがどのように主張を支える根拠になっているのかが不明で,探索的・試論的な調査にとどまっていました。うちのゼミでも,名古屋市内の結婚式場ほとんどにアプローチして,電話インタビューを実施したチームがあります。しかし,想定とは全く違う回答を得てしまい,テーマを根本から見直すことになりました。

発表会後,テーマの見直し・改善を考えるように指示しました。その時に諭したことは,「文献をきちんと読みなさい」です。彼らが取り上げている,同性婚式,下位100円ショップや下位ハンバーガー・チェーンの生き残りなどについて,直接論究している研究はないかもしれませんが,それぞれ参考になる既存研究は多くあります。また,現象を説明する関連理論もたくさんあります。例えば,下位100円ショップの生き残りについては,競争戦略論における,競争地位別戦略,弱者戦略などに関する議論が参考になるかもしれません。あるいはそれ以外の研究が参考になるかもしれません。試行錯誤するしかないのです。

しかし,ゼミ生たちは理論的文献を読むことを嫌います。そんなことをするよりも,簡単な質問項目をいくつか編み出し,アンケート調査をさっさと実施して,質問に対して好意的な回答が得られれば,それで主張が根拠づけられると安易に考えています。ただし,その発想には重大な欠落があります。なぜそのような現象が起きたのかという問いとその答えを探す姿勢を持っていないのです。なぜそういう現象が起きたのかをロジカルに説明できなければ,まともな研究発表にはなりません。理論は現象が起きるメカニズムを示します。理論を学んで,なぜそのような現象が起きたのかという問いとその答えを探す姿勢を身に着ける必要があります。

最後にゼミ生に伝えますが,今探し出し,今後明らかにすべきは「目に見えないこと」です。それは要因やメカニズムと呼ばれるものかもしれません。目に見える現象の奥に潜む「目に見えないこと」を追究する過程が研究であり,それをロジカルに他人に伝えることが研究発表の場で求められるのです。現状では目に見えることを整理しているだけです。

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