毎年,しつこいぐらいに指導しているにもかかわらず,きちんとゼミ生たちがやってこない事柄に,先行研究のレビューがあります。研究発表や卒論のテーマを考え出す前に,必ずやるべきこととして諭すのですが,ゼミ生たちはまじめにやりません。
彼らにしてみれば,難しげな論文やら専門書なんて読んでいられない。それより生活上の身近な問題からテーマを見つけ出し,身近な事例にならって結論を導き出す方が,簡単で,理解しやすいというのでしょう。
さらに,学生は,マーケティングというと,何か戦略を導出しなければならないと思い込んでいます。
したがって,たいてい,自分の良く知っている企業やアルバイト先を例にとって,それにまつわる戦略導出をテーマに掲げます。「~~企業(あるいは店やブランド)の売上高向上の戦略」というたぐいです。
しかし,学生たちは,そのアプローチで,すぐに壁にぶち当たります。仮説の検証や主張の根拠づけに窮するのです。そもそも,どうすれば主張を根拠づけられるのか思い至らずに,いたずらに時間を浪費します。そして,思いつきの主張にとどまった発表や卒論を完成させて終わりになります。つまり,彼らの考え出した戦略で本当に売上高が向上するのかどうか,説得力を持った主張にはならないのです。
先行研究を調べておくと,その状況は打破できます。なぜならば,先行研究としてのまともな論文や専門書は,結論を導き出すための根拠づけが行われているからです。根拠づけは,理論を応用すること,数量的データを示すこと,事例や歴史を記述することなど様々ありますが,学生たちは,その根拠づけのやり方を真似ればいいのです。
当初は,身近な問題からテーマを見つけ出したとしても,きちんと先行研究を調べ,それにならって,根拠づける方法を考慮し,初期のテーマを修正していけば,論理的・説得的な発表になるでしょう。
今年度ゼミ3年生たちには,ちょうど1年前に,先行研究例として論文を配布し,それを読んでもらった後,自ら関心のある領域の先行研究を調べてからテーマを考え出すように指導しました。しかし,それを十分行わないまま,4月にテーマ決定とチーム分けを行いました。その後,春学期,私がいない間,根拠づけのあり方を理解していた卒業生が,先行研究をきちんと読むようにと3年生に指導していましたが,みなそれにはしたがいませんでした。
結局どうなったかといえば,11月の半ばまでずっと堂々巡りの議論を繰り返し,12月の名古屋マーケティング・インカレ本大会では,まともな発表ができずに終わりました。その後,発表のやり直しを指示していますが,本大会後1か月経っても改善しません。春学期にきちんと先行研究をレビューしていれば,結果は違っていたでしょう。
3年生には来年度の卒論に向けて同じく先行研究レビューを指示しましたが,どうなることでしょうか。なお,2年生にも同じ指示を出しました。これまたどうなることでしょうか。失敗から学んで欲しいと思っています。
彼らにしてみれば,難しげな論文やら専門書なんて読んでいられない。それより生活上の身近な問題からテーマを見つけ出し,身近な事例にならって結論を導き出す方が,簡単で,理解しやすいというのでしょう。
さらに,学生は,マーケティングというと,何か戦略を導出しなければならないと思い込んでいます。
したがって,たいてい,自分の良く知っている企業やアルバイト先を例にとって,それにまつわる戦略導出をテーマに掲げます。「~~企業(あるいは店やブランド)の売上高向上の戦略」というたぐいです。
しかし,学生たちは,そのアプローチで,すぐに壁にぶち当たります。仮説の検証や主張の根拠づけに窮するのです。そもそも,どうすれば主張を根拠づけられるのか思い至らずに,いたずらに時間を浪費します。そして,思いつきの主張にとどまった発表や卒論を完成させて終わりになります。つまり,彼らの考え出した戦略で本当に売上高が向上するのかどうか,説得力を持った主張にはならないのです。
先行研究を調べておくと,その状況は打破できます。なぜならば,先行研究としてのまともな論文や専門書は,結論を導き出すための根拠づけが行われているからです。根拠づけは,理論を応用すること,数量的データを示すこと,事例や歴史を記述することなど様々ありますが,学生たちは,その根拠づけのやり方を真似ればいいのです。
当初は,身近な問題からテーマを見つけ出したとしても,きちんと先行研究を調べ,それにならって,根拠づける方法を考慮し,初期のテーマを修正していけば,論理的・説得的な発表になるでしょう。
今年度ゼミ3年生たちには,ちょうど1年前に,先行研究例として論文を配布し,それを読んでもらった後,自ら関心のある領域の先行研究を調べてからテーマを考え出すように指導しました。しかし,それを十分行わないまま,4月にテーマ決定とチーム分けを行いました。その後,春学期,私がいない間,根拠づけのあり方を理解していた卒業生が,先行研究をきちんと読むようにと3年生に指導していましたが,みなそれにはしたがいませんでした。
結局どうなったかといえば,11月の半ばまでずっと堂々巡りの議論を繰り返し,12月の名古屋マーケティング・インカレ本大会では,まともな発表ができずに終わりました。その後,発表のやり直しを指示していますが,本大会後1か月経っても改善しません。春学期にきちんと先行研究をレビューしていれば,結果は違っていたでしょう。
3年生には来年度の卒論に向けて同じく先行研究レビューを指示しましたが,どうなることでしょうか。なお,2年生にも同じ指示を出しました。これまたどうなることでしょうか。失敗から学んで欲しいと思っています。