愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

卒業を前に

2020年01月22日 | Weblog
先日,ゼミ4年生の有志が私の自宅に集まり,新年会を開きました。いつもは全学年の有志が集まるのですが,今年は,準備の都合上,比較的少人数にする必要があり,卒業前のゼミ生と懇談することになりました。

ゼミ生たちは色々な思い出話を繰り出していました。そのうち,ゼミを履修して以来よく行うようになったこととして,図書館で文献を借りて読むようになったことを皆があげました。教員の私の指示を待たずに,マーケティングはもとより,心理学や経営学などの教科書や専門書を自らサーベイして読むようになったと。この場に参加していないゼミ生の多くも,商業誌のバックナンバーや専門的論文を他大学の図書館から取り寄せて読んでいる。大学に入って最も意義のあることかもしれないといいます。ちなみに,図書館スタッフから,うちのゼミ生たちが文献をしょっちゅう借り出しているという報告を受けていました。なぜか私がそのスタッフより感謝されてましたが,それと符合しています。

それを聞いて,彼らは大学教育を受けた甲斐があったとしみじみ思いました。図らずも,大学教育の意義を理解してくれたとも思いました。

大学は専門知識を身につける場だと考えられています。ただし,大学で教えられている理論中心の専門知識は社会で直接役立つものではありません。少なくとも私の研究対象分野で,理論的専門知識を仕事に役立たせる機会はあまりありません。大学教育において専門知識を得るというのは,つぎのような意味で捉えることが妥当だと思います。つまり,特定の専門分野において自ら知識を獲得する方法を身につけることができ,将来必要が生じたときに,専門的な知識を蓄積する準備ができたということです。

自ら知識を獲得する方法を身につけることは,将来最も役に立つことだと思います。仮に今先端的な役に立つ専門知識を教え込まれたとしても,10年後それが役立ち続けているのか疑問です。なぜならば,10年後は今とは環境が変化し,仕事や生活のやり方が変化してしまっている可能性が高いからです。環境が変化してしまったとき,人は自らで役に立つ専門知識を追い求めなくてはなりません。とりわけプロとして賃金を得ながら仕事をしている場合には,誰かから教え込まれるのを待つことはあり得えず,自ら知識を蓄積して,新たな仕事の方法論を模索しなければならないのです。

学生が,自ら図書館で文献をサーベイして,読んで策を練ること。これは大学教育の中核なのですが,残念ながら近年うちの学部では当たり前ではなくなっています。4年生は卒業まであと数か月ですが,この本来の大学教育の中核をやり切ってほしいと思います。

追伸
新年会では,いつも私の手料理をゼミ生に食べてもらうのですが,今回は初めて作った料理が多く,いまいち料理の強制試食会の様相を呈してしまいました。私も,自らでサーベイして模索しながら改善していきます。

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