愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

final

2012年01月21日 | 運営
今週木曜日に秋学期の授業が終了しました。もちろん正規のゼミ授業も今週で終了。卒業していくゼミ4年生にとっては学生生活最後の授業がゼミの授業でした。

ゼミ2年生には,来年度関わる予定の名古屋マーケティング・インカレ研究発表に向けた心構えを形成してもらうため,読むべき研究論文を配布して,その解説を行いました。ゼミ2年生は3年次に本格的に研究発表を行うことが予定されていますが,そもそも何をやるべきなのか,どのように進めるべきなのかが皆目分からない状況です。それらを知るには,アウトプットである論文を読んでもらって,そこから推察してもらうのがよかろうと考えて,大学教員が書いた論文を1つ,大学生が書いた論文を2つ配布しました。2年生に対しては2月16日に成績発表が行われます。その時に特別ゼミを開講して,研究発表の進め方をレクチャーして,さらにゼミ2年生に試みにテーマを考えてもらいます。ゼミ2年生には,その時までに,配布した論文をきちんと読んできてもらい,3年次の活動を推察してきてもらうことになっています。

ゼミ3年生には,名古屋マーケティング・インカレを中心に,今年度の活動の反省をしてもらいました。私がしつこく指摘したためか,ほとんどの学生はチーム・マネジメント上の問題点を語りました。「全員が研究内容を理解しながら進めることができなかった」「一人が突っ走って,周囲がついてこなかった」「計画性がなく,時間を浪費した」「予定したチームの集まりに全員がきちんと集まることがないというルーズさがあった」などなど。あるゼミ生は優秀賞を獲得した他大学チームを評して,「チームがうまく機能していた印象を持った」とも語っていました。

この反省は就職活動に生きてくるので,しっかりと受け止めてほしいと私からは指示しました。なぜならば失敗から学ぶ姿勢を企業は評価してくれるからです。仕事は失敗の連続です。失敗からのリカバリーを模索する姿勢こそが成功者の姿なのです。

ゼミ4年生には2年次秋から今までの活動を振り返ってもらいました。皆笑いを発しながらも感慨にひたっている様子でした。ゼミで過ごした2年数か月間でプレゼン能力が向上したとほとんどのゼミ生が述べました。その時私からも同様の指摘をしました。それ以外には,研究発表の質疑応答場面で論理の矛盾を突くような質問ができるようになった学生が何名かいます。論理的思考力の向上も見られたとここで指摘しておきましょう。

最終ゼミ当日は感慨にひたることになり,十分反省するということができなかったかもしれません。ゼミ4年生には,是非卒業式までの期間,大学生活の反省をきちんと行ってほしいと思います。4月から社会人として働くゼミ生がほとんどですが,社会人のスタートは大学生活とそれなりにつながっています。大学生活で何が身についたのか,何が身につかなかったのか,どんな失敗をしたのかを考えておくことは,社会人になってから能力向上を図るためのヒントを与えてくれます。

なお,ゼミ4年生には残りの学生生活で是非取り組んで欲しいことを述べます。今まで何度も述べてきましたが繰り返します。まず,どんな場所にでもいいので比較的長期間旅行に出向いてください。社会人になったら,長期の旅行を行う時間的な余裕がなくなるからです。おそらく多くの先輩たちも同じことを述べるでしょう。そして,読書をしてください。ビジネス書や専門書はもちろん,小説,新書,歴史書,どんな本でも構いません。社会人になったら,落ち着いて読書をする時間的な余裕がなくなるからです。おそらく,これまた多くの先輩たちが同じことを述べるでしょう。自分はあの時やっておけばよかったと後悔の言葉を添えて。
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2012年01月01日 | 運営
新年を迎え,昨年の反省を踏まえ,本年のゼミ指導に関する決意を述べていきます。

今までブログで述べてきましたが,チームで活動していた3年生の名古屋マーケティング・インカレへの関わり方を観察していて,驚いたのがチーム・マネジメントのへたくそさです。人間関係の持ちように問題があるケースも見られましたが,チームで動くということの意義をメンバーが理解していないことがへたくそさの根本原因です。

チームワークを学ぶことは,今後就職活動を経て職業人として働くためには必須です。なぜならば,日本企業の優位性の源泉はチームワークにあるといわれてきたからです。かつて日本人は教育課程を終えるまでに自然とチームワークの基礎が身についていました。しかし,若い世代では身についていない人が多いようです。多くの企業では,若い社員がチームで働けないことが問題になっているそうです。日本企業の優位性の源泉は今は昔なのかもしれません。

その原因はよく分かりません。少子化や90年代以降の「自分らしくあれ」という言説の流布が影響を与えているのかもしれません。そもそもチームで活動する経験を積んでいないのが原因ではないかと思っています。1990年代以降大学ではサークル活動が低調になりました。そして,ゼミのような小さな単位の集まりでも,ゼミ生間の交わりを避け,仲の良い少数者とのみ群れる姿が2000年代に入ってから目立つようになりました。

今年はゼミ生のチーム・マネジメントに対して積極的にアドバイスを試みていきます。今まではほとんど何もしてきませんでした。ただし,基本的な心構えをしつこく諭すことにとどめ,細かな介入はしないつもりです。なぜならば,教員がチームの運営に介入をすれば,教員がチームリーダーになったも同然で,ゼミ生たちは自発的に運営する気概をなくしてしまうからです。

チーム・マネジメントにおいては,個々人の貢献にも今まで以上に目配せしたいと思います。個人で執筆した4年生の卒論の出来具合を先日確認しました。これを当人たち3年次の名古屋マーケティング・インカレにおけるチームによる研究発表と照らし合わせました。チームは非常に良い発表をしたのに,個人の卒論ではだめだった例,チームの活動はだめだったのに,個人の卒論はその時の印象を払しょくするほど良かった例を見ることができました。

チームは良かったのに,個人ではだめなのは,その個人が3年次のチームにおいてはただ乗りをしていて大した貢献をしていないか,貢献はしたにせよ研究発表の根幹に関わっていなかった可能性があります。そのため能力向上しなかったのでしょう。チームにおいては,役割分担があるにせよ,全員が活動の内容をきちんと理解し,進行に関与している必要がありますが果たしてそれがなされていたのか。

チームはだめだったが,個人では良いのは,3年次メンバー間で衝突して方向性を打ち出せなかったか,足を引っ張るメンバーのおかげで,その個人の活躍がつぶされてしまった可能性があります。4年次に個人で動くことになって,チームの呪縛から放たれ,のびのびと卒論に打ち込めたことでしょう。そして,3年次の苦境時に意外にも学んでくれたのでしょう。この場合,同一チーム・メンバーで,チームはだめで,個人もだめという例も同時に見つかります。その個人がチームの足を引っ張ったことがあぶりだされます。その後何かを学んでくれていればいいのですが・・・。

ともかく今年はチーム・マネジメントに注力することをゼミの指導方針にします。
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