愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

中長期目標

2024年01月05日 | Weblog
昨年末のゼミ同窓会の時に,何人かの卒業生からお土産を頂きました。そのうちの一つに,叡山ふくみ天平という商品名の和菓子があります。たねや製造で,比叡山延暦寺限定販売の最中です。たねやの通常品と違い,菓子に茶葉が練りこまれた特別仕様です。この茶葉は比叡山の開祖最澄が中国より持ち帰った茶木を継承して栽培したものなのだそうです。

実はその茶葉は,滋賀県甲賀市土山にあるその卒業生の実家が栽培したものだということで,わざわざお土産として持ってきてくれました。その実家の製茶業者は由緒ある茶葉を復活させた技術で様々な表彰をされています。

この菓子を頂きながら,同窓会においてその卒業生が事業継承に関する課題を語っていたのを思い出しました。「事業の中長期の目標を立てろといわれている。次代を担うにあたって,目標をどうすればよいのか悩んでいる」というのがその話の趣旨です。私はその時に,複数の目標や戦略を立てて,柔軟に変化に対応できるようにしないといけないかも」とあいまいな応答をしたのみでした。色々な卒業生と様々な会話をしていたので,深く考えて応答できなかったのでした。

いまマーケティングの専門家の端くれとしてコメントすると,是非中長期の戦略的目標の一つとして掲げて欲しいのが,「ブランド化」です。ブランド化によって,企業は,製品の安定的な販売,持続的な事業の成長,下請けからの脱出,価格競争からの回避に向かいます。

すでに「甲賀のお茶」が商標登録されています。さらに甲賀の中の産地「土山」の名を冠したブランド茶の開発もなされています。彼には,宇治や西尾に負けない全国的・世界的ブランドになるよう,この地域ブランドの強化に尽力してほしいと思います。また,実家の製茶業者の独自ブランド開発にも尽力してほしいと思います。

叡山ふくみ天平の説明書きには,甲賀市土山町で栽培された茶葉使用とあります。しかし,よく読まないと把握できません。もし,この茶葉のブランドが確立していれば,菓子の良い特徴を消費者に示すために,そのブランドが分かりやすく表示されることでしょう(成分ブランドの表示)。また,特定製茶業者による茶葉が菓子の良い特徴を構成しているのであれば,その名が入るかもしれません。有名ブランドのPCにわざわざ部品であるCPUのブランドのインテルやAMDが記載されているように。

彼は「大学の学問なんて役に立たないものだと思っていた」とぼそっと語っていました。たしかに大学の学問は直接社会で役に立つことはあまりありません。続けて,しみじみ「大学でもっときちんと勉強しておけばよかった」「簿記・会計学は重要だと最近感じている」と話していました。学問は思考の土台を形成します。どのように頭を使えばよいのかを示唆してくれます。これは長い目で見れば,人生に重要な役立ちをもたらします。

事業の中長期目標のためには,マーケティング論,会計学,経営学などを学び直してください。これは彼個人にとって中長期の目標になるでしょう。

追伸
叡山ふくみ天平には驚きました。最中の端を口に入れて噛んだ瞬間,お茶の香ばしくさわやかな香りが鼻を通り抜けます。こんなにお茶の印象が強く残る和菓子はなかなか食べられません。
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迎春

2024年01月01日 | Weblog
2024年の元旦を迎えました。今シーズンは暖冬のため,穏やかで暖かな正月休みになりそうです。

ところで,12月30日にゼミの卒業生が集まる忘年会を居酒屋で開催しました。様々な年次の卒業生20名ほど参加のゼミの同窓会です。2000年に愛知学院大学に奉職以来,様々な年次のゼミの卒業生がたくさん集まる同窓会は今回が初めてです。ホームカミングデーがきっかけになりました。遠く秋田,東京,大阪,滋賀などから参加してくれました。年末休暇時期の開催が良かったようです。私は3次会まで参加しました。

参加最年長が2010年3月の卒業生,最年少が2023年3月の卒業生なので,13年ほど年の開きがありますが,あまりそういうことは感じさせない和気あいあいとした雰囲気になりました。年次によって参加者数のばらつきはありましたが,年次ごとに卒業生が固まらず,年次に構わず,卒業生の交流ができたと思います。

卒業生たちは,結婚,出産,子育て,離婚,転職,昇進など色々な経験を積んできており,とりとめのない会話が続いたのかもしれませんが,こちらは楽しく話しを聞くことができました。海外でのボランティア,転職,家業の継承など卒業生の今後の計画を聞くこともできて有意義でした。

また,卒業生の昔話にからめて,キャンパスの整備やカリキュラムの変更など今の大学の状況をこちらから話す機会があり,卒業生に母校の変化を感じ取ってもらえたと思います。

2024年も,卒業生が集まる機会を設けたいと思います。また,卒業生と現役ゼミ生が交流する機会も設けることができたらよいと考えています。
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