愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

卒論が最後の砦

2022年10月28日 | 卒論
文部科学省は21日、令和3年度の全国学生調査結果(試行実施)を発表した。授業以外で予習、復習、課題などに割いた時間を聞いたところ大学2年で4割以上、最終学年となる大学4、6年で7割以上が週5時間以下と回答し、多くの学生の自学・自習時間が1日1時間にも満たないという結果となった。

調査対象は全国582大学2年と4、6年、157短大の2年の学生で、今年1、2月にインターネットを通じて実施。約11万人が回答した。

大学生活を通じて「身に付いた」「ある程度身に付いた」と感じたことに関しては、8割以上が「専門分野に関する知識・理解」と回答。「幅広い知識、ものの見方」も8割を超えた。一方、「外国語を使う力」については3割程度と低調で、外国語教育のあり方が課題となりそうだ。

(産経新聞2022/10/21)

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大学教育は自学自習が基本なのですが、その実現はなかなか難しい。難関大、非難関大を問わず、文系学部所属のほとんどの大学教師にとって、それが現実なのかもしれません。

ほとんどの大学では、シラバスに予習復習の指南を必ず記載しているはずです。しかし、その通りに自習する学生はごく少数です。そもそもすべての履修科目について、記載通りの予習・復習をすれば、睡眠時間がほとんどなくなります。非現実的で、学生に自学自習を促す仕掛けになっていません。

不思議なことに、まともに自学自習をしていないのに、上記アンケート回答者の80%学生たちは「専門分野に関する知識・理解」「幅広い知識、ものの見方」が身についたと感じたと答えています。

ほんまに?と聞き返したくなります。授業を聞いて、少しの課題をこなし、期末試験対策をしただけで、専門分野の理解や教養が身につくはずはないというのが、教師としての私の見解です。自分の経験では、徹底して自分の手と足を使って調査をし、さんざん試行錯誤をし、悩みぬいて、ようやく入門レベルの教科書が理解できました。入門レベルの教科書の記述に「腹落ち」したのは大学院ドクター課程在籍時です。上記アンケートでは、実際には、身についたと「思ったか」と問いかけています。したがって「思ったこと」を回答しているに過ぎないのかもしれません。

通常の座学授業では自学自習は期待できないので、うちの学部では最後の砦はゼミ・卒論です。とくに卒論では、2年度前から副査制度、今年度から動画でのプレゼンテーションを導入して、学生を追い込む仕掛けを施しました。実際に追い込まれて自学自習を徹底してくれるかどうか、今年度はこれからが見所です。ゼミ生に聞いてみると、周囲に既に卒論をあきらめた学生が多数いるとのこと。うちのゼミではまだ出現していません。4年ゼミ生全員に、自らを追い込んで、頭を使い汗をかいた卒論を書き上げてもらいます。
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