愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

あかん

2009年05月13日 | 卒論
先週から本格的にゼミ生に研究発表を行ってもらっています。3年生は名古屋マーケティング・インカレのテーマ,4年生は卒論のテーマを発表してもらうのです。

先週,発表に対する私の発言は,つぎの言葉の連発でした。「あかんな。」

とにかくどれもこれも研究テーマになっていませんでした。勉強したい領域と研究テーマとは違うのだということが理解されていません。3年生の発表でこんなやりとりがありました。「地産地消をテーマにしたいと思います。」「地産地消の何を問題にするの?」「地産地消とは何かです。」「それでは勉強にしかならない,最終的に何を明らかにするの?」「地産地消が日本の食品流通を刷新し,若者の雇用を改善することを訴えたいのです。」「政治スローガンを唱えるのか?」「そうなりますね。」「・・・・」

テーマが決まらない大きな要因は勉強不足にあります。机の上で,ない知恵を絞ってもテーマは出てきません。ある程度,先行研究を調べ,実情を調査したうえで,問題点を発見した結果,独自性のあるテーマが見つかるのです。ゼミ生たちは,知恵のない自分の頭に必要な知識(勉強すべき対象)は何であるのかをなぞっただけです。

もう一つの要因として想像力の欠如をあげたいと思います。「あかんな」以外に私が連発したのは「結論は見えているか?」という言葉でした。今見い出す結論は間違っている可能性が高いのですが,それでも結論の見通しを想像しておくことは重要です。それによって,何を作業として行うべきなのか計画を立てることができます。結論を根拠づけるためには何をすべきを考えることで計画が立つのです。いわば「逆算」の発想です。何より,結論を見通すことによって何を主張しようとするのかを明らかにすることができます。テーマが具体化するのです。なお,研究の世界では結論の見通しのことを「仮説の立案」と呼びます。

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学会発表

2009年05月05日 | 名古屋マーケティング・インカレ
先月25日に愛知学院大学において日本商業学会中部部会を開催しました。そこで,私を含む5名の名古屋マーケティング・インカレに関わってきた教員がつぎのような研究発表を行いました。

「ゼミナール活性化ツールとしての名古屋マーケティング・インカレ」
太田幸治(愛知大学)・青木 均(愛知学院大学)・濱 満久(名古屋学院大学)・久保田進彦(東洋大学)・大崎孝徳(名城大学)※ゲストスピーカー荒武麗(日経BP)

自立心・やる気とリテラシー能力が低下している学力低下時代に,大学教育の中心であるゼミの活性化はどうあるべきか,名古屋マーケティング・インカレを通じて考えてみようという内容です。こういう発表を行うからには,名古屋マーケティング・インカレ自体が活性化してなくてはならないわけですが,我々はまあまあ活性化していると認識しています。そこで,現状ではうまくいっているこのインカレの誕生から今までの経緯,学生や卒業生からのヒアリング内容,うまくいった要因の分析を行ったのでした。

学生や卒業生からのヒヤリングはなかなか面白いものでした。ヒヤリングに応じてくれた全大学のほとんどの学生が「大変だった」と答えています。実際,参加したほとんどのチームは皆連日夜遅くまで大学に残り調査や発表準備を行いました。しかし経験者全てが「やって良かった」と答えてます。勉強熱心なので親が驚いていたという感想を述べる学生もいました。

全大学のほとんどの学生が就職活動に活きたと答えていました。「インカレの話しを面接ですると,企業担当者が関心を示してくれた」「インカレの経験が活きて,多くの人の前で臆せずプレゼンできた」などという声がありました。

学生はチームワークも学んだようでした。「ゼミの結束が高まった」「通常なら仲良くならない学生と友人になりコミュニケーションをとることができた」という声があった一方で,「チーム内のコンフリクトを収拾するのが大変だった」という声もありました。

うちの大学に特徴的な声もありました。「100人規模のイベントの運営が経験できてよかった」というものです。イベント運営などはいやいや引き受けてしまうのが通常なのでしょうが,昨年度のうちのゼミでは運営を学びの場としてくれたようでした。

経験してもらえれば,ゼミは活性化すると確信しているのですが,問題は未経験の下級生やその他の学生が「大変だから」と敬遠してしまうことです。実際うちのゼミでは昨年度はゼミの応募者が少なく何度も募集しなくてはならない事態に陥りました。さらに,今年度参加する予定の3年生のうち,既にやる気を失くしたり(やる前から),不安を強く感じたりする学生がいるようです。これらへの対処は課題としてのしかかっています。
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