愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

なんで?ほんま?

2012年09月28日 | 運営
先週から秋学期がスタートし,今週から授業が本格化しました。ゼミも同様です。

2年生のゼミが新規に始まりました。春学期に募集したゼミ生6名が参集しました。夏休みの課題レポートを提出してもらい,それを受けて新たな課題を指示しました。「コンビニエンス・ストア・チェーンにおいて,セブンイレブンとそれ以外との間に,平均日販の差が開いているのはなぜか,その原因を探る」というものです。この課題は過去様々なジャーナリストや学者が取り組んできたものです。しかし,確固とした定説があるわけではありません。学生に身近な存在であり,先端的な経営を展開するコンビニエンス・ストアの競争優位性を取り上げるのは,小売マーケティングの理論や実例を学ぶには最適です。学生なりの仮説を導いて欲しいと思います。

名古屋マーケティング・インカレの中間発表会が近づいている3年生には,その経過を報告してもらいました。プロ野球の集客と商店街の活性化を追究するテーマでしたが,両方に対して私が繰り返し発した言葉は,「なんで(なぜ)?」「ほんま(本当)?」でした。

各チームは自分たちなりに産業や事業の停滞の理由を指摘し,対策を提案しているのですが,根拠が弱い。説得力のある主張を展開するためには,データ(数字にならないものも含めて)や理論で根拠を付ける必要があります。しかし,各チームは「なぜこのような事態が生じたのか」を徹底して追究し,「本当にこれで説得力を持つのか」としつこく振り返ることをしていません。そして「なるほど」と思わせる根拠を提示していません。そこで,繰り返し,「なんで?」「ほんま?」を発することになりました。自分たちで,「なぜ?」「本当?」と問いかけられるようになって欲しいと思います。

4年生には卒論の経過を報告してもらいました。困ったことにほとんど4月から進んでいない!!いつもなら,「あかんな」を連発するのですが,そんなことを言ったところでどうにもならないので,「もうちょっと何とかならんか」という言葉を口にしました。こういったところで,やはりどうにもなりませんが・・・。半数以上が就職内定している4年生は,今後卒論に全力を傾けて欲しいと思います。
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帰国

2012年09月18日 | Weblog
先日,半期のアメリカ在外研究を終え,帰国しました。時差ぼけは解消し,自宅の片づけや持ち帰った荷物の整理を済ませました。半期だけの滞在でしたが,非常に有益な時を過ごしました。多くの帰国者が経験することですが,私も帰国後,日本という国,職場や仕事,そして自分自身のあり方を振り返っています。それらに関して,多くの気づきを得ています。

日本という国に関しては,意外にマナーの悪い人が多いと感じています。日本人はマナーのいい人たちだと世界的に考えられているそうです(自画自賛かもしれませんが)。しかし,帰国後は,アメリカ人の方がよほどマナーがいいのではないか,少なくとも在住地域において日本人は周囲を慮って行動していないと感じています。

アメリカでは(基本的にアーカンソー),人々は朝知らない人に対しても必ずと言ってもいいほど挨拶をします。日本では(基本的に名古屋),知り合い同士でも無視することがあり,大学で,顔見知りの学生に教員の私が無視されることはしょっちゅうです。少し体が触れる程度でも人とぶつかると,アメリカ人はきちんと謝ります。日本では人々はぶつかっても能面のような顔をして,無視して過ぎ去ることが多いでしょう。アメリカの道路では,歩行者が脇に立っていると,車は必ず止まるか,減速するかします。横断歩道付近でなくてもドライバーはそうします。日本ではそんな光景を見ることはほとんどありません。

また,アメリカ人は厳格に順番を守ります。列をきちんと作っていなくとも,だれが自分より先かということを瞬時に判断して,それを尊重します。飛行機,バス,地下鉄で,押し合いへし合いしながら乗り降りする光景はほとんど目にしませんでした。日本では,きちんと列を作って順番を守っているようですが,ガイドがない場合,割り込んだり,追い抜かしをしたりする光景を,よく見ます。飛行機,バス,地下鉄で,押し合いへし合いしながら乗り降りする光景は自宅周辺では日常茶飯事です。アメリカにおいて,順番の厳守は車の運転中も見られました。交差点や駐車場の出入口では,ドライバーはどの車が自分より先かということを瞬時に判断して,自分は後に出入りするように振る舞います。強引な割り込みを見ることはありませんでした。日本では,私はほぼ毎日,強引な割り込みに対し危険な思いをしながら運転しています。

ただし,アメリカ人のマナーの良さは(とくに南部人),信仰に基づく部分が多いようですが,警戒心の表れや摩擦回避のためでもあるようです。日本では,地域において,人々は他者に甘え,摩擦など起きないと高をくくっているから,あまり周囲に気を配らない行動をとることができるのかもしれません。


面白いことに,アメリカ人たちはプライベートの場面では,感じのいい人が多いのに,小売店やサービス業者の接客対応では,「いい加減だな」「顧客のことを考えていないな」と感じられることが多かったでしょう。あまりに無礼なので,下手な英語でまくし立てて,店員とケンカしたこともありました。日本ではそんな経験はありません。逆に,普段は能面のような顔の日本人たちは,接客場面では,笑顔で,丁寧で,気の利いた対応をします。日本の多くの店では,一人一人の顧客にあいさつし,お礼を述べ,頭を下げる光景は当たり前となっていますが,アメリカではよほどの高級百貨店か高級ホテルでないと遭遇できないかもしれません。

ともあれ,自分も周囲を慮らない,甘えた日本人であると自戒して,今後は感じのいい人になるよう心がけるつもりです。
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