愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

卒業生訪問

2015年01月28日 | Weblog
昨日,2年前の卒業生鈴木君が新キャンパスの研究室を訪ねてきました。休みが取れたので,新キャンパスを見に来たそうです。鈴木君の近況を聞くとともに,ゼミの運営について色々意見交換しました。

鈴木君は「今,自分はクルマを売る仕事をしていますが,トップセールスを上げる人は,顧客の立場に立って,論理的に重要な情報を説明できると思います。そして,顧客にそのクルマの必要性を認識させるように徐々にそれを展開する。こういうことは大学時代マーケティングを学んでいたため,理解できます」と話してくれました。

その後,私が「ゼミの学習レベルは以前より下がっているように感じる。今年度は,名古屋マーケティング・インカレを途中でリタイアしたチームが出た」と話すと,鈴木君は「ダメですね。あの程度のことを粘れないなんて,社会人として将来やっていけないと思います」という回答。「自分はゼミで粘った経験が今に活きています」とも答えてくれました。

私が「最近ゼミ生の研究発表にダメ出しをしても,なかなか改善しない。これで十分なんだという返答をするので,唖然とする」と愚痴ると,鈴木君は「それはまたダメですね。職場で,上司が要求したことに応えないと,社会人失格になります。うちの職場では,上司が私や同僚に,君たちは不真面目だという指摘をよくします。それは上司の要求に応えない時です。上司の要求に応える努力をするから,能力の向上があるし,仕事の改善があるのです。たとえ上司の指示がピントボケであっても,学ぶことはたくさんあります。そのゼミ生たちは,これまでゆるい環境で育ってきたからそういうのでしょうが,ゼミの活動できちんと粘ることを学ばないと,社会人になってからは辛い思いをすると思います」としんみり話してくれました。

最後に,鈴木君は「ゼミは楽しかった」と語ってくれました。そういえば,11月に2009年度の卒業生3名が新キャンパスを訪ねて来てくれた時も,同じ言葉を聞きました。忙しく,大変だったがゆえに楽しかったという想い出。

学期末の定期試験が終わった今,2014年度のゼミの教育を振り返ると,色々悩むことの多い年だったと思います。ゼミ生の人間関係,低いモチベーション,教員の指示を無視する態度等に,怒りや徒労を感じました。しかし,卒業生の言葉を聞くと,基本的に今のままでやり抜こうという思いが頭をもたげます。毎年改善を加えるとしても,基本的な方針は変えず,ぶれないで運営しよう。それが卒業後ゼミ生に財産だと感じてもらえるのものを形成するのだから。

なお,もうすぐゼミ生の成績評価をしなければなりません。きちんと粘って活動に取り組めたかどうかを見極めて評価するつもりです。
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卒論

2015年01月14日 | 卒論
1月9日の補講日に,卒論発表会を開催しました。ゼミの2年生,3年生,4年生,一部卒業生が出席しました。4年生の卒論発表に対し,全出席者が100点満点で評価をし,その合算によって,優秀卒論を選びました。

今回選ばれたのは,サロン・ド・マルシェの活性化をテーマにした牧野杏梨の卒論です。サロン・ド・マルシェは八事興正寺で毎月1回開催されている定期市です。その活性化への助力を主催者から当方に依頼されたため,うちのゼミ3年生中心に関わってきました。毎回90ほどの出店者が集まり,2千人を超える来場者を数えるマルシェに対して,牧野は3年生と一緒に何度もフィールド・リサーチを行い,活性化策を考察してきました。

マルシェが生産者と消費者が直接つながることを目指し,こだわりの商品について対面販売で提供することをコンセプトにしていることから,卒論ではその利点を活かすことを模索しています。行き着いた策が,来場者の買い上げ率を引き上げるために,出店者による対面販売において,来場者にライフスタイル提案を行うことです。具体的には,店舗間相互の商品紹介,店舗をまたいで扱い商品を組み合わせた調理の提案などです。地道な努力をゼミ生たちは評価しました。

この卒論の改善点を昨日ゼミ2年生に聞いたところ,彼らは活性化策の実現可能性の検討が弱い点を指摘しました。また,フィールド・リサーチにおいて,出店者による対面販売の実態,来場者による対面販売の評価などの調査が不十分であるため,活性化策の必然性が明確ではないという指摘もありました。

私は2年生に「今度は自分たちの問題としてその指摘を受け止めて欲しい」と述べました。自分たちが他人に対して行ったその指摘を,自分たちが今後同じような調査研究を行う時の教訓として,受け止めて欲しいという趣旨です。

卒論の執筆に対して,4年生には何度も反省と改善を求めてきました。反省と改善が個人の成長をもたらすと信じています。つぎには,反省と改善を個人の問題とせず,ゼミ全体の教育に昇華させていく必要があると感じています。4年生の反省と改善は,3年生や2年生に引き継がれ,教訓として,思考にしみこませていく必要があると思うのです。

なお,4年生の卒論発表の後,当日3年生の一部に研究発表を行ってもらいました。名古屋マーケティング・インカレを辞退した学生にゼミの単位を取得させるための課題です。これらの発表に対しても,全出席者に卒論と同様の方法で評価してもらいました。評価は低く,あらかじめ設定した合格点を獲得できなかったものもありました。全部聞き終えた後の私の感想は,「間に合わせだな」というものです。やはり,こういうものはやらない方がいいと感じた次第です。発表者にとっては,温情だという受けとめか,厄介事だという認識しか出てこないからです。来年度のゼミの運営を反省することになった新年です。
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