愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

無駄を許容せよ

2023年09月12日 | Weblog
久しぶりの更新です。今数年ぶりにまともに研究・執筆活動を行っています。これまでずっと大学内の役職に就いていたため,研究・執筆活動に手が回りませんでした。今手掛けているのは10年以上前に出版した小売マーケティングのテキスト・ブックの改訂作業です。

この10年間,小売業界の実際の動き,それを受けた研究成果の積み重ねには目まぐるしいものがあります。それを捉えて,テキスト・ブックの内容を追加する必要性が生じています。とりわけ,インターネットを活用した小売業者のマーケティングは,インターネット通販を手掛けるだけでなく,インターネットと店舗とを一体化した顧客対応へと変貌を遂げてきました。これを理論的に解読してテキスト・ブックに取り入れる必要があります。

それ以外にも,不十分な点を補う箇所,新しい研究動向を取り入れる領域がいくつもあります。マネジメントの体系,消費者の購買行動,品揃え,価格,店舗,ロジクティクスなど小売マーケティングに関する様々な領域を網羅する必要があるので,渉猟しなければならない文献は多岐にわたります。

この半年間新たに数百の文献を読んで整理してきましたが,実際に使える文献はその5分の1程度以下,数十です。ゼミ生に手本を示すとすれば,文献収集を始めとするデータ収集は,ほとんどが無駄になるが,その無駄を許容して,できる限り徹底的に収集しなければ,よい思考にたどり着かないということです。

ゼミ生は今,研究発表大会,卒業論文のためにそれなりにデータ収集や執筆活動を展開してくれていると思いますが,とにかく安易に結論を出そうとしないで欲しい。

回り道でも,徹底して関連する文献をいくつもいくつも読む。読んだ中で直接使える文献はほんの少し。それでも読み続ける。ある程度思考がまとまったら,つぎには1次データ収集(観察,ヒヤリング,アンケートなどの調査)を計画する。この1次データ収集もうまくいかないのが通例で,何度もやり直す必要がある。ということを覚悟する。

無駄を許容して,試行錯誤することを当然視して欲しい。その過程で思考が固まり,テーマが絞られ,納得のいく結論が見えてきます。


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