愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

2次募集

2024年06月18日 | 募集
本日,商学部ゼミ1次募集の合格発表が行われます。そして明日から2次募集が始まります。人気ゼミではないこのゼミでは2次募集からが本格的なゼミ生募集期間です。昨年度は,なぜかこのゼミが人気になってしまい,見学者・1次志願者殺到だったのですが,今年度は,見学者はごく少数,1次志願者は定員よりはるか少ないという元の状態に戻りました。例年通りなので,これまでのノウハウを生かしてこれから選抜を行うことができます。

2次募集では他のゼミを落ちた学生が当然うちのゼミを検討します。意外にも2次募集で応募してくる学生は「できない」学生とはいえません。優秀な学生から1次募集の網に引っかかり,優秀でないものが残され,2次に回るという単純な図式ではないようです。

2次応募の学生に中には,私の目から見て,「優秀だな」と感じる学生は過去何人も存在しました。2次応募学生から1次で不合格になった状況を説明してもらい,「こんなできる学生をなぜ落としてしまうのか」と驚くこともありました。「できる学生」の基準がうちのゼミと他のゼミでは違うのでしょう。

このゼミでは優秀さの基準を,日本語の読み書き能力に置いています。選考では,長い文章を書いてもらい,論理的,具体的に自分の考えを表現できるのかを確認します。主語と述語の対応を意識しているか,指示語,句読点を使いこなしているかなどを見ていきます。

ゼミによっては成績(GPA)を判断材料にしているようですが,うちのゼミではGPAは全く見ていません。なぜならば,GPAが低くても論理的思考力に優れた学生を過去何人も見てきたからです。さらに,そもそも私自身学部時代成績が大変悪かったという事実があります。授業以外の活動に重きを置いていたためですが,その経験が今に活きているので,GPA至上主義に陥ることに抵抗感をもちます。

また面接における対話を重視するゼミがありますが,このゼミではそれも重視しません。面接の対話に重きをおいてしまうと,見た目の良い(容姿だけでなく服装や態度も含む)学生や社交的な学生が選ばれがちだからです。社交的でない学生の中に,地味な作業をいとわず,粘り強く思考し続ける学生が含まれています。そういう学生にゼミに所属して欲しいのです。

教員からテーマを与えられて,従順にその指示に従う学生はこのゼミではあまり評価されません。自発的に研究テーマを持つことができる学生,簡単に答えが出ないことを面白がる学生に門を叩いてもらいたいと考えています。
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驚きました

2023年06月06日 | 募集
本日授業の前後,ゼミに関する相談を受けました。驚いたことに,うちのゼミが今年度人気ゼミになっているので,どうしたら入れるでしょうかという質問をいくつも受けました。

私が返答したことは,このゼミは例年不人気ゼミで,1次募集で定員を満たしたことは過去20年でほとんどない。いつも1次募集時応募者数名で,3次募集まで行い,ようやく定員を満たしているということです。したがって,人気殺到ということは信じられないということです。

現2年生の勘違いによって,うちのゼミの表面的な人気が盛り上がっているのかもしれません。このゼミへの応募を考えている学生の皆さん,よく考えてください。いままで20年間不人気であったこのゼミ。

厳しいという評判で不人気でした。大学教育として当たり前のことを行っているだけなので,私はとりわけ厳しいとは思いませんが,うちの学部のレベルからすると厳しいゼミということで,多くの学生が忌避してきたゼミです。皆さんに対するこちらの対応は今後変わりません。変えるつもりもありません。楽しくないことがたくさんあります。

研究テーマは自分たちで案出してもらいます。研究発表のテンプレはありません。何もかも自分たちで決めてもらいます。面白くないかもしれない文献調査をしつこく行ってもらいます。つらいかもしれないヒヤリングやアンケート調査もしつこく行ってもらいます。プレゼンは毎週要求します。不十分な発表に対して,「おかしい」と指摘して,次週までに修正することを求めます。「あかん」という評価が毎時下ります。「頭使った?」「なんで?」「ほんま?」しつこく詰問します。

よく考えて応募してください。このゼミは本当に不人気ゼミです。それで良いのです。そういうゼミです。人気ゼミにするつもりはありません。このゼミに応募を考えている皆さんにとっては,他のいつもの人気ゼミに応募したほうが良いかもしれません。

おそらく卒業生も驚いているでしょう。青木ゼミが人気ゼミ? ここはそういうところじゃないよ! 本気の少数の人が覚悟して応募するところだよと。
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応募にあたって

2023年06月03日 | 募集
6月6日よりゼミの応募期間に入ります。今年度は学部全体でゼミの授業模様を見学する学生が多いようです。うちのゼミでも合計20人を超える見学者がいました。まともに情報収集せずに応募する学生が例年多数に上っていましたので,今年度の2年生の動きはよい傾向です。

うちのゼミは人気ゼミではないので,1次募集時に応募する学生は少数だと思いますが,応募にあたり,留意してほしいことをここで述べます。

まずコース選択について。商学部では,履修のルール上,選択コースとその学問分野に関連するゼミを一致させなくてもよいことになっています。うちのゼミでも一致の必要はありません。ゼミの担当教員によってはコースとゼミの学習内容を一致させるように要求する場合があります。しかしながら,このゼミはマーケティング専門ゼミですが,ゼミ生の選択コースは流通マーケティングでなくてもよいのです。

過去,会計金融コースやビジネス情報コースを選択しながら,このゼミに所属していたゼミ生は何人も存在します。マーケティングを学びながら簿記の資格を取りたい,情報の高校教員免許を取得することを希望しているがマーケティングも学びたいなど,理由はそれぞれでした。

現役学生が将来どういう職業人生を歩むのか現時点では分かりません。卒業後就職してからしばらくして,所属替えや職種替えを含んだ転職を経験することでしょう。したがって,将来の転身に備えて,若いうちは色々なことを経験し,様々な知識を得ておくことが必要なのです。面白いと思ったことをあれこれ経験すればよいのです。その意味でコースとゼミ専門を違えても何ら問題ないと私は考えています。

つぎに選考について。このゼミでは,人物確認のため応募者に簡単な面接を行います。そして,小論文を書いてもらいます。この小論文によって本人の学力を推し量ります。日本語の読み書き能力,論理的思考力をみる重要な手掛かりにするのです。うちのゼミでは,日本語の読み書き能力がゼミにおいて学問に取り組むうえで最も重要な能力であると考えています。面接だけでは,教員受けの良い,明るく目立つ学生やまじめで従順そうな学生を採用しがちになります。それでは本当にゼミにおいて能力を高めてもらえる学生を取り逃がすかもしれません。

応募者は小論文や面接で,教員迎合的な応答をする必要はありません。「先生の授業の面白さにひかれて・・・」とか,「ゼミの指導風景が私の理想とするもので・・・」とか,そんな表層的な評価を述べても,それが選考上プラスに作用することはありません。こちらでは,文章における主語と述語の対応,指示語や接続語の使い方などを確認します。また表現が具体的であるかどうか,ネット情報の引き写しかどうかなどもみていきます。

最後に,友達と一緒がいいからという理由で応募しないでください。そういう応募者は,所属後友達と刺激しあって学問に取り組むことはほとんどありません。たいてい学びで手を抜こうと友達と共謀し始めます。
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ゼミ募集始まる

2023年05月23日 | 募集
今週ゼミの説明会が行われ、ゼミ募集が始まりました。本日うちのゼミが説明会に参加し、3年生ゼミ長がゼミの概要を説明してくれました。「学生が自らテーマに沿った研究を主体的に行います。ゼミだけでも本気で取り組んでみませんか?青木ゼミでの活動は必ず皆さんの役に立つと確信しています!」という言葉で説明を結んでいました。これはうちのゼミだけではなく、どこの大学でもゼミを履修するにあたって、心にとめておいて欲しい心構えです。

講義によっては、必修科目だから仕方なく受講するというものがあります。面白くないし、自分のためになっているかどうか不明である。したがって、モチベーションが維持できないとこちらに話しかけてくる学生がたくさんいます。私が学生の頃もそのようなことはありました。

ただ、ゼミや卒論はきちんと取り組んで欲しい。なぜならば、調査研究は学生が主体的に考え行うべきものだからです。主体的に取り組む事柄は、過程も結果も自らがコントロール可能であるため、たいてい面白く、モチベーションが高まります。もし面白くないテーマならば、変えてしまえばよいのです。

ゼミによってはテーマが教員から与えられる場合があります。学部学生にテーマ選択をやらせてもうまくいかないので、教員がある程度指示すべきという考えには教育的配慮が込められていると理解しています。学生がテーマを一から考え抜くのは難度が高いことを理解しています。しかし、うちのゼミでは、学生に一から案出してもらいます。なぜならば、教員が指示をしてしまうと、学生が自ら考え抜く訓練にならないからです。

テーマをこちらから与えてしまうと、「先生から与えられたテーマだから」と捉え、学生自らが、なぜこのテーマを研究するのか、このテーマに特定の理論を当てはめる理由は何か、このテーマを進めるにあたって必要な調査はどうすべきかなどを深く考えないで、調査研究を進めてしまいがちだからです。そして、主体的に動かず、細かな進め方について教員に指示をいちいち仰ぎがちになります。

自らで考え抜く力を養いたいと思う学生に応募して欲しい。そのため、このゼミでは、週に1度、演習の時間に出席さえしていれば単位が取れるということはありません。毎回ゼミ生は自分たちが調査・分析した事柄をプレゼンテーションしなければなりません。それに対して、教員や他のゼミ生が改善を促すべくコメントします。そのコメントを受けて、次週までに修正を図らなければなりません。これをずっと繰り返します。一度決めたテーマを1年間ずっと追究してもらいます。徹底して考え抜いてもらいます。

調査・分析においては、たくさんの文献を読まなければなりません。1冊か2冊の指定された本を読んで、その内容をまとめて報告して終わりということはありません。テーマに関係する専門書や論文を多数自ら検索して読んでもらいます。さらに、データベース等で新聞や雑誌の記事も多数検索してもらい、社会の動きと理論とのつながりも捉えてもらいます。週に1度の演習の時間以外に、自発的にこれらを行うことになります。文献調査がある程度終わったら、テーマによって、ヒヤリング調査、アンケート調査、フィールド・リサーチなどを行うことになります。教員が作業を細かく指示して強制することはありません。あくまで学生が自発的に工夫して調査と検討を繰り返します。

キャンパスを訪ねてくるゼミの卒業生は必ず「ゼミでは後輩にきちんと勉強させるように仕向けてください。じゃないとつまらない学生生活になります」と私に要請します。最近の卒業生だけでなく、卒業して10年以上経つ卒業生もそのフレーズを異口同音に述べます。卒業生たちは、卒業後社会人として活躍する中でゼミの活動に意義を感じているようです。

うちのゼミでは、卒業してからキャンパスを訪ね、後輩たちに向かって「きちんと勉強しておかないとつまらない学生生活を送ることになるよ。自分はまあまあ充実していたと思う」と語ることができる人を求めています。
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ゼミ募集開始

2021年05月28日 | 募集
商学部ではゼミ募集に関する書類の配信が始まりました。今年度募集に関する連絡はマイクロソフトの遠隔会議システムTEAMSを通じて行われます。また、ゼミの説明会もTEAMSによる遠隔説明会(一部実施しないゼミがある)となります。うちのゼミでは選考もTEAMSを使った遠隔面接によって行います。

ゼミ履修を考えている2年生は、申し込み前に遠隔説明会に参加し、可能ならばゼミの担当教員にメール等で質問をして欲しいと思います。それは一つのゼミだけでなく候補となる複数ゼミについて行って欲しい。昨年度は遠隔の説明会すら実施できませんでした。ゼミの担当教員の顔さえよく分からず応募した学生が存在しました。今回は何とか遠隔とはいえ説明会が開催できます。可能な限り情報収集してください。

例年、ゼミの履修に関する2年生の行動を見ていると、きちんと情報収集しないで、同級生や上級生から伝わるあいまいな伝聞を基に申し込みを行う学生がたくさんいます。その伝聞は間違った情報を含んでいます。例えば、うちのゼミに関する伝聞では、「青木ゼミは出費がかさむうえに,アルバイトができないらしい」「青木ゼミでは課題が山のように出されて,こなせないといってゼミ生が泣いている」などがあります。現役のゼミ生や卒業生はこれらがでたらめであることを知っています。ほとんどの学生はアルバイトをしています。体育会所属の学生も毎年在籍しています。決まった出費は3年次の日経ビジネス定期購読だけです。さらに課題は1年にせいぜい2つです。うちのゼミだけでなく、他のほとんどのゼミについても、似たようなでたらめな噂が乱れ飛び、それを真に受ける学生が存在しています。噂がその学生の申し込み行動に影響を与えています。でたらめな噂が飛び交うのは人間社会の常なのでやむを得ないとして、問題はその真偽を確かめようとせずに、学生生活上重要な履修選択をする学生の意思決定や行動です。

ゼミの志望・選抜に関する活動は、就職活動の良い予行演習になります。良い就職活動したいと考える2年生は、まずはゼミに関する情報収集をきちんと行ってください。

ところでうちのゼミでは次のような学生に志望して欲しいと願っています。つまりは、きちんと学問に向き合う学生です。このゼミでは、週に1度、演習の時間に出席さえしていれば単位が取れるということはありません。毎回ゼミ生は自分たちが調査・分析した事柄をプレゼンテーションしなければなりません。それに対して、教員や他のゼミ生が改善を促すべくコメントします。そのコメントを受けて、次週までに修正を図らなければなりません。これをずっと繰り返します。一度決めたテーマを1年間ずっと追究してもらいます。

調査・分析においては、たくさんの文献を読まなければなりません。1冊か2冊の指定された本を読んで、その内容をまとめて報告して終わりということはありません。テーマに関係する専門書や論文を多数自らサーベイして読んでもらいます。さらに、データベース等で新聞や雑誌の記事も多数検索してもらい、社会の動きと理論とのつながりも捉えてもらいます。週に1度の演習の時間以外に、自発的にこれらを行うことになります。文献調査がある程度終わったら、テーマによって、ヒヤリング調査、アンケート調査、フィールド・リサーチなどを行うことになります。教員が作業を細かく指示して強制することはありません。あくまで学生が自発的に工夫して調査と検討を繰り返します。

キャンパスを訪ねてくるゼミの卒業生は必ず「ゼミでは後輩にきちんと勉強させるように仕向けてください。じゃないとつまらない学生生活になります」と私に要請します。最近の卒業生だけでなく、卒業して10年以上経つ卒業生もそのフレーズを異口同音に述べます。卒業生たちは、卒業後社会人として活躍する中でゼミの活動に意義を感じているようです。

うちのゼミでは、卒業してからキャンパスを訪ね、後輩たちに向かって「きちんと勉強しておかないとつまらない学生生活を送ることになるよ。自分はまあまあ充実していたと思う」と語ることができる人を求めています。
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再掲 もうすぐ募集

2019年05月20日 | 募集
昨年度掲載したブログ記事を再掲します。

2年次秋学期から始まるゼミ(演習Ⅰ)の募集期間に入りました。まず,今週説明会が開かれ,その後ゼミの公開,面接と続きます。うちのゼミを志望する商学部学生はごくわずかであると思いますが,その学生はゼミの方針を知った上で応募してください。

当たり前ですが,ゼミではきちんと学問に向き合ってもらいます。週に1度,出席さえしていれば単位が取れるということはありません。週に1度の演習の時間では,ゼミ生は自分たちが調査・分析した事柄をプレゼンテーションしなければなりません。それに対して,教員や他のゼミ生が改善を促すべくコメントします。そのコメントを受けて,次週までに修正を図らなければなりません。これをずっと繰り返します。一度決めたテーマを半年間もしくは1年間ずっと追究してもらいます。

調査・分析においては,たくさんの文献を読まなければなりません。1冊か2冊の指定された本を読んで,その内容をまとめて報告して終わりということはありません。テーマに関係する専門書や論文を何十も自らサーベイして読んでもらいます。さらに,データベース等で新聞や雑誌の記事も何十も検索してもらい,社会の動きと理論とのつながりも捉えてもらいます。週に1度の演習の時間以外に,自発的にこれらを行うことになります。

文献調査がある程度終わったら,企業に対するヒヤリング調査,消費者に対するアンケート調査,店舗の視察などを行うことになります。

文献と格闘するなんてつまらなそうだし,ヒヤリングやアンケート調査なんて面倒くさそうだと思う人は,うちのゼミに応募しないでください。そういう地道な作業によって学問に向き合うことの楽しさを感じたいという学生に応募してきて欲しいと思います。

キャンパスを訪ねてくるゼミの卒業生は,必ず,「ゼミでは後輩にきちんと勉強させるようにしてください。じゃないとつまらない学生生活になります」と私に要請します。最近の卒業生だけでなく,卒業して10年経つ卒業生もそのフレーズを異口同音に述べます。卒業生たちはゼミの活動に意義を感じていたようです。

うちのゼミでは,卒業してから,キャンパスを訪ね,後輩たちに向かって,「きちんと勉強しておかないとつまらない学生生活を送ることになるよ。自分はまあまあ充実していたと思う」と語ることができる人を求めています。
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もうすぐ募集

2018年05月22日 | 募集
2年次秋学期から始まるゼミ(演習Ⅰ)の募集期間に入りました。まず,今週説明会が開かれ,その後ゼミの公開,面接と続きます。うちのゼミを志望する商学部学生はごくわずかであると思いますが,その学生はゼミの方針を知った上で応募してください。

当たり前ですが,ゼミではきちんと学問に向き合ってもらいます。週に1度,出席さえしていれば単位が取れるということはありません。週に1度の演習の時間では,ゼミ生は自分たちが調査・分析した事柄をプレゼンテーションしなければなりません。それに対して,教員や他のゼミ生が改善を促すべくコメントします。そのコメントを受けて,次週までに修正を図らなければなりません。これをずっと繰り返します。一度決めたテーマを半年間もしくは1年間ずっと追究してもらいます。

調査・分析においては,たくさんの文献を読まなければなりません。1冊か2冊の指定された本を読んで,その内容をまとめて報告して終わりということはありません。テーマに関係する専門書や論文を何十も自らサーベイして読んでもらいます。さらに,データベース等で新聞や雑誌の記事も何十も検索してもらい,社会の動きと理論とのつながりも捉えてもらいます。週に1度の演習の時間以外に,自発的にこれらを行うことになります。

文献調査がある程度終わったら,企業に対するヒヤリング調査,消費者に対するアンケート調査,店舗の視察などを行うことになります。

文献と格闘するなんてつまらなそうだし,ヒヤリングやアンケート調査なんて面倒くさそうだと思う人は,うちのゼミに応募しないでください。そういう地道な作業によって学問に向き合うことの楽しさを感じたいという学生に応募してきて欲しいと思います。

キャンパスを訪ねてくるゼミの卒業生は,必ず,「ゼミでは後輩にきちんと勉強させるようにしてください。じゃないとつまらない学生生活になります」と私に要請します。最近の卒業生だけでなく,卒業して10年経つ卒業生もそのフレーズを異口同音に述べます。卒業生たちはゼミの活動に意義を感じていたようです。

うちのゼミでは,卒業してから,キャンパスを訪ね,後輩たちに向かって,「きちんと勉強しておかないとつまらない学生生活を送ることになるよ。自分はまあまあ充実していたと思う」と語ることができる人を求めています。
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分からないと答える教員

2017年06月20日 | 募集
大学は中学・高校とは教育上違うということを十分に理解していない学生が全国的に蔓延しています。違いがあるとすれば,中学・高校よりも大学のほうが学習上楽になったということぐらいという認識の学生が多数かもしれません。

中学・高校と大学の教育上の違いは,教員の学生対応を見てみるとよく分かります。中学・高校では,生徒が教科学習で分からない箇所を質問に行くと,教員はきちんと答えを導いてくれます。ところが,大学では必ずしもそうではありません。教員によっては,「その問題は難しいので答えは簡単には出ない」「自分はそれを専門的に研究したことがないから分からない」という返答することがあります。私もそのような返答を過去何度もしました。

中学・高校で,生徒の質問に対して,教員が「分からない」と答えることは通常はないでしょう。そのような応答した先生に対して生徒は信頼感を損ねるかもしれません。しかし,大学では,学生の質問に対して,教員が「分からない」と答えることはおかしなことではありません。「分からない」と答えた先生に対して学生が信頼感を損ねることは必ずしもありません。

なぜならば,簡単には答えが出ない問題を探究し続けるのが大学の学問だからです。分からないことを何とか分かるようなする営みです。一度答えが出た場合でも,その後状況がひっくり返り,別の答えが定説になることもよくあります。分からないことがあって当然なのです。そもそも,問題も自分で見つけ出さなくてはなりません。したがって,各教員は狭い専門領域を追究することになります。幅広く扱っていては,深く探究することができないからです。

せっかく大学に入学したのであるなら,簡単には答えが出ない問題を探究し続ける活動に少しでも触れて欲しいと思います。そのための場として,多くの大学では,演習,実習と呼ばれる授業や研究室が用意されています。

通常の授業では,ただ椅子に座って,教員の説明をノートに書きとり,それを正しいものとして,覚えこむばかりです。それは学問をしていることにはなりません。自分で問題を設定し,自分なりの答えを探し出し続ける過程が含まれていなければなりません。最近アクティブラーニングという言葉が教育界で流行しています。能動的学習という翻訳で,革新的な新概念のように捉えられますが,実は,大学で昔からきちんと行われてきた学問に学生を向かわせれば実現します。

今商学部ではゼミ生募集期間(秋学期から始まる演習の選択期間)に入っています。座学の講義と同じく,週に1度ゼミの授業日に教室で座っていれば単位が取れるゼミを選ぼうとする学生がいて,げんなりします。不人気ゼミのうちでは,他のゼミを落ちてしかたなく2次3次募集で申し込んでくる学生が毎年いますが,そのなかにそういう料簡の学生が混じっています。そういう学生はうちのゼミを選択しないで欲しい。

うちのゼミでは,週に1度教室にいれば単位が取れるようなことはありません。簡単には答えが出ない問題を探究し続ける活動に取り組んでもらいます。自分で決めたテーマで毎日毎日頭を悩ませなければならない状況に自ら追い込んでもらいます。

「先生これが分からないので教えてください」「それは難しい問題なので自分もよく分からない。一緒に答えを探して見よう」。これがゼミのポリシーです。

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ゼミ活動が始まった

2016年07月25日 | 募集
2年生のゼミ生募集が終わり,ゼミ活動は始まりました。商学部で最も人気のないこのゼミでは今年度も応募者はわずかで,今回5名のゼミ生を確定しました。とりつぶし寸前です。

そのゼミ生の中に面白いことを言う者がいました。「僕は先生の1年生の必修科目を落とされました。それでこのゼミを応募する気になったのです」。

私の科目の成績が良かったから応募したという学生は過去何人もいました。しかし,成績不振だったのであえて応募するという学生は始めてです。そのゼミ生曰く,「自分は大学教育をなめていました。試験でいい加減な解答をしていたのですが,先生にはそれを見られていたのです。ちゃんとしているのだなと思いました」。

そのゼミ生は運動部に入っていて,その練習で忙しいそうです。「このゼミは厳しいそうだと聞いたのですが,部活動をやりながらついていけますか?」と質問してきました。私は「実はこのゼミはたいして厳しくない。課題は1年間にせいぜい2つ与える程度。長期間でそれらを完成させてもらう。何度もその間ダメ出しをする。大変そうなのはやり直しをすることだけ。私の方からは,課題の締め切りと,求められるレベルを指示するだけで,具体的なスケジュールはゼミ生に任せている」と答えました。自分たちでスケジュール管理をするのならばなんとかついていけそうと感じてもらえた様です。

ゼミ生たちは,平日は夜まで図書館やパソコン室に残って文献の調査やレジュメの作成をしています。休日はフィールド調査のためにキャンパスや街頭で活動することが多い。しかし,それは私が無理にやらせているわけではありません。私が細かな指示をすることはありません。うちのゼミを忌避する商学部の学生たちは,そういううちのゼミ生の忙しそうな姿を見て,強制されていると思っているようです。だから大変でつまらなそうなゼミだと想像しているようです。

自分なりの問いを見つけ,その答えをさんざん悩んで導き出す過程。それが大学の学びです。きちんと取り組めば大変面白い,いわば知的エンターテイメントです。大学の学びの楽しさをゼミで知って欲しいと思っています。そのためには,自主性が大事なのです。

卒業していったゼミ生たちは,それなりにその楽しさを味わってくれたと思います。キャンパスを訪ねてくる卒業生からは,必ず,「ゼミでは後輩にきちんと勉強させるようにしてください。じゃないとつまらない学生生活になります」と言われます。

その新しいゼミ生は国体出場選手に選ばれる可能性があるほど運動部活動を頑張っているそうです。それでも,自主性を維持すれば,ゼミの活動はきちんとやり遂げることができるはずです。

先週から2年ゼミ生には早速論文コンテストの事前調査を行ってもらうための説明をしました。定期試験終了後始める予定です。
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ゼミ募集

2014年06月24日 | 募集
商学部では現在ゼミ生募集期間に入っています。商学部で1,2を争う不人気ゼミであるこのゼミは,1次募集では,例年通り,定員を下回る応募者しかいませんでした。2次以降の募集を行います。定員以下の応募者数であっても,ゼミの教育レベルを保つため,「全入」にはしません。きちんと選考します。

例年通り,応募者に作文を書いてもらい,その日本語表現力から学力を推察して,それに基づいて合否を判断します。面接に基づく判断は基本的にしません。なぜならば,面接における志望者の,「このゼミの素晴らしさにひかれました」「ゼミの活動に全力を尽くします」などの発言は信用ならないことを思い知らされてきたからです。とりあえず,どこかのゼミに入りたいという皮相的な願いから,その場しのぎで「教員受けのいいこと」を話す学生を散々見てきたのです。

それよりは,日本語表現力の評価の方が選抜にとっては有用であると信じています。大学入試において,面接重視のAO試験よりも,学力試験の方が有用であるという,昨今の認識変化にも通底しています。

応募者の作文について,つぎの事柄をチェックします。

こちらが尋ねたことに答えているかどうか。すなわち,自分が伝えたい事ばかり記していないか,こちらの質問の意図を理解しているかどうか。

文法上の間違いがあるかどうか。例えば,主語と述語が対応しているかどうか,指示語や接続語を正しく使っているかどうかなど。

誤字脱字が多いかどうか。小学校レベルの基本的な漢字をひらがなで表現しているかどうかも含む。

読み手のことを考えているかどうか。例えば,読み易い大きさの文字であるかどうか,句読点を適切に打ってあるかどうか,識別が容易な字の濃さであるかどうかなど。

以上を踏まえ,ゼミの活動に耐えられる日本語表現力を持つ学生を残します。



さて,合格した応募者に連絡です。つぎのアドレスにメールしてください。その際に,合格者連絡というタイトルに加え,学籍番号と氏名,返信用アドレスを必ず文中に明記してください。

aohito@dpc.agu.ac.jp

全てのゼミ募集活動が終わり,配属が確定したら,今後のスケジュールとゼミの夏休み課題を返信用アドレスに連絡します。その課題をこなさないと,秋学期から始まる正規のゼミ活動にはついていけないようになっています。
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