愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

期限迫る

2011年11月25日 | 運営
11月後半。ゼミでは期限が迫っている事柄がいくつかあります。まず,4年生は卒業論文の提出期限が迫っています。12月15日がその期限です。もう90%以上仕上がっていなければなりません。昨日,卒論の概要(特に結論部分)について,各自口頭で簡単に発表してもらいました。仕上がっていれば,当然きちんと説明できます。しかし,結論があいまいな説明をする者が続出。どうも完成にはまだまだ遠いという感じでした。商学部では,11月中に完成させて,12月1日(提出開始日)に提出させるゼミがあるそうですが,うちのゼミでは早く完成させることは求めません。ぎりぎりまで粘ってもらいます。なぜならば,期限間際の粘りで内容が改善する例を今まで見てきたからです。4年生は,3年次,名古屋マーケティング・インカレにおける研究発表の際,経験したはずです。本大会の前日まで,調査を行い,しつこく発表内容に手を入れ続けたことを。そして発表当日の朝になってやっとレジュメを完成させたことを。人間というのは期限間際にならないと精神集中しない存在のようです。かくいう私もそうです。簡単には提出させず,この先何度もダメ出しを行い,粘ってもらうつもりです。

提出後,12月22日に恒例の卒論発表会を行います。発表会というものの,これは審査会です。例年通り,全学年ゼミ生に4年生による卒論発表を聞いてもらい,その内容を審査し,採点してもらいます。そして,その得票に基づいて成績評価を行います。下級生の前で恥をかかないよう,堂々と発表して欲しいと思っています。そのためには,最後まで努力を惜しまないで欲しいと思います。

3年生は名古屋マーケティング・インカレの本大会が迫っています。12月3日の前日までに発表内容を確定させなくてはなりません。昨日内容を確認したところ,各チームようやく結論の見通しが現れてきました。ただし,調査によって得たデータの処理ができていない,概念があいまい,理論的検討が不十分という状況です。現状ではとても胸を張って発表できる内容ではありません。後1週間,寝る間も惜しんで,粘って欲しいと思います。ここで,努力を惜しむと大会終了後に大きな悔いが残ります。

例年,本大会においては,勝ち負けにはこだわらず,堂々とした発表ができるようにして欲しいとゼミ生には指示しています。堂々とした発表とは,明快な主張があり,主張を支える根拠がきちんと提示され,説得力のあるロジックが組まれた発表のことです。そして,聞く側の立場に立って,親切に説明する態度が備わっている発表です。これができれば,負けたとしても,悔いは残りません。そして,多くの学生や教員から,「よくやったな」とねぎらいの言葉をかけてもらえます。オリジナリティーがあれば自然と評価されます。間違っても,学生相互評価において高得点を得ることに焦点を当てて,学生受けのいい発表にしようなどというくだらない料簡は持って欲しくありません。

なお,卒業アルバム用写真の撮影期限も迫っています。昨日,4年生はゼミの集合写真を撮りました。数年前から集合写真撮影の際には全員「青い服・アクセサリー」を身に着けてくることにしています。なぜかというと「青」木ゼミだからです。とりあえず,前もって指示していましたが,青い服は持ってないため,シャツの一部が青,青色が混じっているアクセサリーを持つということでどうにかこうにか青を身に着けることになった学生が何人かいて,中途半端な「青色表現」になってしまいました。ただ,副ゼミ長は,わざわざこの日のために青色に染めあがった中日ドラゴンズのTシャツを買って,着てきました。なかなかいい意気込みです。来年からは,副ゼミ長の意気込みを継承して,卒業記念もかねて,青色のゼミ専用Tシャツを揃えようかと思っています。
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基礎固め

2011年11月11日 | 運営
商学部では専門演習(ゼミ)は2年次秋学期から始まります。2年次秋学期から卒業まで一貫教育が行われるようになっているのです。元々2年次には基礎演習がおかれていました。そしてゼミは3年次と4年次におかれていました。この場合,基礎演習とゼミの担当教員は同じである必要がないので,教育の継続性が担保されません。事実,ほとんどの学生は継続して基礎演習と同じ教員のゼミを選択することはありませんでした。しかし,2年次教育と専門ゼミとの継続性を求める声が教員内に高まり,現行の制度に落ち着きました。

過去の経緯もあり,うちのゼミでは,2年次秋学期は基礎段階と位置づけて,研究発表に必要な基礎的能力の養成に時間を費やしています。いつもは,輪読を中心にしていました。同じ専門書を全ゼミ生に入手してもらい,各自担当箇所の解読を行ってもらうのです。その過程で,解読結果を発表してもらったりレポートにまとめてもらったりします。結果として,文章読解・表現,プレゼンテーションの基礎的能力が身につくと考えられます。多くの大学の社会科学系学部で行われています。

しかし,輪読は意外にも学生にとって難しい課題なのです。なぜならば,うちの場合,学力低下のためか,ほとんどの学生は専門書を読解することができるレベルの国語力や専門知識を欠いているからです。例年,ピントのずれた解釈をするか,内容を理解しないまま字面を追っているだけになります。

そこで,今年はいきなりゼミ2年生にフィールドリサーチ(実地調査)を行ってもらいました。セブンイレブンと他のチェーンとの間になぜ平均日販の差が生じているのかを考察するため,コンビニエンス・ストア間比較調査を行ってもらいました。

ゼミ生を3チームに分け,それぞれに差を生じさせた要因に関する仮説を考えてもらいました。仮説としては,ドミナント出店を含む出店に関するものと,PBの導入を含む品揃えに関するものがあがりました。つぎにそれを検証するため,店舗の実地調査を実施してもらいました。

全チームともあらかじめ地図等で店舗の立地場所を確認して,競合動向を捉えてから,調査対象を吟味しました。そして,実際に数日間店舗に出向きました。店長に頼み込んで許可をもらい,陳列アイテム全てを一品一品数えたチーム。レジ前に陣取り,取引ごとにレジの料金表示をメモして,客単価を割り出したチーム。店舗の前で,顧客を一人一人をつかまえて,来店動機を聞き出したチーム。

結局,十分考え抜いた末の仮説ではなかったためか,あるいは強引で,スマートさに欠ける調査だったためか,どのチームもきちんと仮説の検証はできませんでした。その過程を発表してもらいましたが,論理的で説得的な発表はできませんでした。しかし,その行動力を評価したいと思います。わずか3週間ほどでそれなりの調査をやり終えた迅速さが何より良かったと思います。

ゼミ2年生たちは,自分たちで独自の主張を考えだすことの難しさ,それを根拠づけるためのデータ収集の大変さ,論理的に主張を展開することの苦労が学べたのではないでしょうか。何より,学問には汗をかくことが必要だということが。これらは研究発表において最も重要な事柄です。いつもは3年次にゼミ生たちが気づくことを,2年次に理解することができました。

例年とは違って,実地調査の後,専門書の輪読を行う予定です。ゼミ2年生たちには,輪読でも,汗をかくことの重要さを知ってもらおうと思っています。
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