愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

大丈夫?? Alright??

2017年10月19日 | Weblog
よく行く自宅近所のコンビニエンス・ストアの不思議な接客。レジでベテラン店員から,いつもつぎのように立て続けに聞かれます。

「商品大丈夫ですか?」「レジ袋大丈夫ですか?」「おつり大丈夫ですか?」「ポイントカード大丈夫ですか?」「足元大丈夫ですか?」

この店に行く度に,「大丈夫??どんな意味?」と頭が混乱します。トラブルがないことをこちらに確認しているのか,必要性があるかどうかこちらに聞いているのか,何かをこちらに訴えているのか,何か同意をこちらに求めているのか,今一つよく分かりません。店員のボキャブラリーが貧困なのかもしれませんが,セルフサービス式の店舗で,まともな対話を顧客側が求めていないために,単純化・省略化した対応をしているといえるのかもしれません。

この「大丈夫ですか?」を先日の学内研究発表会ビジカンの質疑応答場面で何度か聞きました。発表者が,質問に答えた後,質問者に「大丈夫ですか?」と聞き返すのです。

「え?それどんな意味で発言しているのか?」と不思議な感じがしました。発表者が,自分の応答について質問者に理解されているのかどうか確認しているのか,自分の応答が間違っているかどうか指摘を求めているのか,質問者に何らかの同意を求めているのか,他の質問を促しているのか,何なのか。もし発表者が質問者に対して発表者による応答を理解しているのかどうか確認する意味で発したとしたら,失礼な言い方であると指摘される可能性があるでしょう。「馬鹿にするな!」と応じられるかもしれません。

丁寧な接客が省かれているコンビニならばこの応答でも通用するかもしれませんが,言葉のやり取りによって,論理展開を吟味する研究発表の場ではよろしくありません。うちのゼミ生でもこの「大丈夫ですか?」応答をしていた者がいます。

研究発表のだいご味は実は質疑応答に込められています。ここのやり取りで,発表者と質問者双方の能力や意欲があらわになります。学部全体について,私が言及する立場にありません。ただ,うちのゼミ生には質疑応答を大事にして,きちんと質問と応答双方をできるように訓練していきます。まずは,「大丈夫ですか?」のようなあいまいで,人を食ったような発言はさせないようにしなければなりません。



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近況

2017年10月16日 | 運営
先週末,8年前に卒業したゼミの卒業生数人と会食しました。そのきっかけは,このブログにおける合宿に関する記事を卒業生の1人が読んだことです。彼女が注目したのは,全学年合わせて14人しかいないという点です。彼女たちが現役学生の頃はゼミには1学年15名いたので,なぜそんなに減少しているのか不思議がり,ゼミはなくなってしまうのではないのか心配して問い合わせてきたのです。私からは「ゼミの教育レベルを保つためにやむをえずこうなってしまった」と答えました。8年前の卒業生が在籍していたころと,ゼミの教育内容はほぼ同じです。学部入学者の学力レベルもほぼ同じです(年によって低いときがある)。私が嫌われているだけなのでしょうか。ただ,少数ながらも,在籍しているゼミ生は,以前よりも自主性が高まり,私がほとんど指示しなくても,自分たちであれこれゼミの活動を計画し,勉強も進めてくれます。研究発表のレベルが高いとはいえませんが,私が目指す方向性は守ってくれています。

先の日曜日に,学内の研究発表会であるビジカン中間発表会が開催されました。今年度は分野ごとに会場が分かれて,口頭発表が行われました。うちのゼミの発表会場はもちろんマーケティング・ブロックです。昨年よりは,全発表内容は改善していて,自分たちがやりたいことがなんとなく分かるようになっていましたが,発表時間が5分と短かったこともあってか,質疑応答は活発とはいえませんでした。うちのゼミ生たちはそのあたりを危惧して,頑張って質問をしていましたが,質問の仕方が悪い場合が多く,質問の意図を酌み切れない発表者との間でちぐはぐなやり取りが見られました。

発表後,アンケート用紙に,聴衆が各発表に対する評価とコメントをすぐさま書き,当日それぞれの発表者に渡されるようになっていました。相互評価につながるので良い制度だと思います。ただ,うちのゼミ生は皆渡されたアンケート用紙を見て,がっかりしていました。コメント欄の文字が少なく,しかも,「分かりやすかった」「勉強になった」などのよく考えられていない表面的な誉め言葉の連続だったからです。うちのゼミ生が期待していたのは,ロジックのおかしさを突く指摘や改善の糸口を得る意見でした。そういうものはほとんどありませんでした。「これでは何の意味もない」というのがうちのゼミの総意です。コメントを考えさせるよう,もっと時間おいてから用紙を回収する方が,発表者と聴衆の学びには意味があるという意見がありました。

ほとんどの学生には,批判というものが思考を深め,活動の発展に寄与するという認識がないのかもしれません。学生間の健全な批判文化がうちの学部にないうえに,小学校からいままでの教育において,論理的に批判をするという訓練を受けていないのかもしれません。批判を個人攻撃だと思っているのかもしれません。しかし,そうではありません。何事においても健全な批判は発展の原動力なのです。

名古屋マーケティング・インカレで当たり前のように見られる,発表者がゼミの担当者以外の先生(たいていは他大学の先生)にしつこく質問をしてアドバイスと求めるという光景は見ることができませんでした。今回は学内の行事なので,参加学生にとっては敷居が低いはずなのに。

研究発表会は単なる厄介ごと。学問に正面から取り組む学生は変わり者。そういう雰囲気を今年こそ払しょくできるでしょうか。

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