愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

夏休み中の報告

2011年08月16日 | 運営
大学では9月半ばまでは夏休みですが,世間では今日お盆休みが終わります。夏休みが3分の1ほど終了したところで,8月に入ってからこれまでのゼミに関する出来事を簡単に書き留めておきます。

8月5日に,4年ゼミ生岸さんの九州経済調査協会における派遣研修に対する視察と指導のため,福岡は博多に出向きました。この研修のコーデュネーターである商学部葛西講師とともに,九州経済調査協会にあいさつに行きました。その後,調査協会の研究員とともに,阪急百貨店博多店にヒヤリング調査に出かけました。派遣研修におけるゼミ生の研究テーマがこの博多店の今後の営業の在り方を考察することだからです。当店の営業責任者から,博多店の営業状況についてあれこれ伺いました。その後は夜まで博多店を中心に周囲の地域事情を視察しました。

JRのターミナル駅上百貨店としては,名古屋駅上のJR名古屋高島屋と同じ立地環境にありますが,客層,品揃え,雰囲気はずいぶん違っていました。名古屋高島屋と比べれば,博多店は,中心客層は若く,価格ゾーンは低い。グレード落とした大衆的な商品を多く揃えています。その点では,関西の衣料ファッションを先導してきた阪急百貨店梅田本店ともずいぶん違っています。地域事情にきちんと対応して,地域顧客のニーズを満たすということが小売業の使命なのですが,阪急百貨店はうまくその使命を追いかけていると感じました。学生の研修指導ということで出向きましたが,私自身が良い勉強をさせてもらいました。

8月12日に派遣研修は終了したようです。最後の日に,岸さんは自分で進めた研究の経過報告を調査協会の研究員の前で行ったそうです。何とかこなしたようですが,是非この成果を卒業論文に結実させて欲しいと思います。

8月13日には,ゼミの卒業生と現役学生が集まって懇親会を開きました。井奈波君はじめ昨年度卒業生が幹事役をかってでてくれて,25名ほどが集まりました。まだゼミには正式に所属していない2年生も3名参加してくれました。大変うれしく思います。学年を超えた気軽な飲み会で,是非とも現役ゼミ生には,卒業生や上級生と触れ合って,ゼミ活動や就職活動への意識を高めて欲しいと思います。また,卒業生には,現役ゼミ生と触れ合うことで,自分の知識を後輩に伝えたり,自分の「今の姿」を確認したりして欲しいと思います。もちろん,卒業生,現役ゼミ生ともども,ゼミに対する愛着を高めて,心のよりどころを形成して欲しいと思います。

なお,いつも学生から夏休み中大学教員は何をしているのかと質問されます。休みが多くていいですねなんていわれています。この時期私たちは遊んでいるわけではありません。この時期調査研究の仕事を盛んに行うのです。なぜならば,学期中はそれが十分できないからです。私も今は著書の執筆を行っています。ただ,学期中よりは時間的自由度が高くなりますので,ゼミ生は研究発表や卒論の相談,卒業生はよもやま話をする機会があれば,是非こちらまで連絡してきてください。

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できていて当たり前のこと

2011年08月01日 | 運営
今定期試験の採点期間に入っています。採点で悩まされるのが答案の誤字です。

流通が専門の私の教科試験で目立つのが「卸売業」の書き間違いです。例年どういうわけか「御売業」と書いてある答案が多数存在します。今期も授業中注意喚起をしたにもかかわらず,いくつもの誤字が見つかりました。

いつも多いのが「人件費」の間違いです。「人権費」と間違っているのです。これだと流通というよりは社会政策に関する費用のようです。今期多かったのは「購買」の間違いです。「講買」「購売」と書いてある答案が多数見つかりました。

残念なことですが,うちの学生においてはこの手の基本語の書き間違いが非常に多いのです。学力低下の現れでしょう。誤字の多い答案は何が言いたいのか分からない場合が多いのです。私は人の能力や意欲はこのようなできていて当然の基本的な部分に表れると思っています。

昔,アメリカにおけるエンジェルと呼ばれるベンチャービジネス投資家を取り上げたテレビ番組を観たことがあります。スタッフが投資家に,「海のものとも山のものとも分からぬビジネスの計画を見定める秘訣を教えてくれ」と質問すると,その投資家は笑いながら「計画書の文字が曲がっていないか,線からはみ出ていないか,誤字がないかチェックするのだよ」と答えました。

冗談のような受け答えでしたが,大学教育に携わる私には真実のように思えました。できていて当たり前の基本的なことができない学生が,複雑で高度なことを処理できたためしがないからです。誤字の多い答案を書く学生が理論やメカニズムをきちんと理解しているとは期待できないのです。逆に言えば,当たり前のことをきちんと処理できる学生は,計画性や粘り強さを持って理論やメカニズムの理解に取りかかる能力と意欲を持っていることが多い。

同じような例として,生産現場で,品質管理の要諦として,整理,整頓,清掃を掲げるのは普通のことになっています。部品や道具の後片付けさえできない人が,複雑な機能を持つ製品の組み立てなんかきちんとできるはずはないということなのです。

時間を守ること,連絡を欠かさないことも社会生活上できていて当たり前のことです。最近,こちらに連絡なく,あらかじめ指示された名古屋マーケティング・インカレ評価シートをきちんと期日までに提出しないゼミ3年生がいました。提出日の前日に確認しておいたにもかかわらずです。こちらから請求してやっと出してきました。このゼミ生に対して私はもはやインカレ参加には及ばないから,チームから外れて欲しいと指示しました。後に本人の願いからもとに戻ってもらうようにしましたが,ゼミ内にそのことに反発する声があるようです。

ゼミ生たちは些細なことを大事にしていると思っているのかもしれません。その程度のことで,チームから外すのはやりすぎと思っているのかもしれません。しかし,私はやりすぎとは思っていません。できていて当たり前のことだから厳しく叱ったのです。複雑なことや難しいことならば,できなくても叱りません。例えば,経営学の理論が理解できていなかったり,統計ソフトが使えなかったりしても,できる範囲で教員が教えるまでのことです。しかし,できていて当たり前のことができない,やり過ごす場合にはペナルティーを与えます。今回はゼミ長たちから話を聞いて,以前から不作為が続いてきていたことも受けてそう指示しました。

些細なことだからやり過ごしていいのではなく,些細なことだからきちんとやるのです。複雑なことはたいてい多数の些細なことの積み重ねです。多数の些細なことを粘り強く愚直に処理することで結果として複雑なことを処理することができるのです。反発されても,今後もしつこく諭すつもりです。

なお,研究発表も答案と同じで,誤字や言い間違いの多い学生の研究発表は論理もおかしいことが多いでしょう。
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