愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

学期末

2018年07月24日 | Weblog
今学期末の定期試験期間に入っています。試験が終了すれば夏休みです。ゼミ生たちは,夏休み中インターンシップやアルバイトなどで時間が取られるようです。また,研究発表の準備も並行して行う予定です。あれこれ予定があるようですが,授業期間よりは時間的余裕ができると思います。ゼミ生にいつも諭すように,長期の休みには旅行と読書に時間を割いて欲しいと思います。

読書について,最近私が読んで面白かった本を紹介します。ゼミ生は自らの読書の参考にしてください。

まず,河合雅司『未来の年表2』(講談社現代新書)です。これは,昨年このブログでベストセラーとして紹介した,河合雅司『未来の年表』(講談社現代新書)の続編(パート2)です。パート1が,年を追って,人口減少・少子高齢社会において何が今後起きるのか,まさに年表を示したのに対して,パート2は,今後起きる可能性の高い出来事に焦点を当てて,掘り下げて解説しています。例えば,「食卓から野菜が消え,健康を損なう」という節では,農業従事者の減少によって野菜生産が減少し,価格が高騰する可能性があり,現在その兆候が出ていることを取り上げています。「オフィスが高年齢化し,若手の労働意欲が下がる」という節では,若手が入ってこない職場が大半になり,そういう職場では従業員は40代を過ぎても若手の仕事し続けなければならず,万年平社員として勤める羽目になるため,モチベーションが下がり,生産性も下がる可能性を説明しています。

未来ある学生には,パート1と併せて読んで欲しいと思います。パート2を読むとパート1の理解が進みます。現在,多くの書店では『未来の年表』とともに,『未来の年表2』は新書のベストセラーになっているようです。昨年も書きましたが,将来,人口減少で,社会が活力を失い,経済が衰退する中で,組織そして社会を背負わなければならなくなるのは,今の学生たちです。

新書でもう一つ面白かった本として,堺屋太一『地上最大の行事万国博覧会』(光文社新書)を紹介します。万博プロデューサーとして名高い,経済評論家の堺屋さんが,自らが関わった万博の開催経緯(内幕)を記した本です。1970年大阪で開催された日本万国博覧会が内容の中心です。日本そしてアジアで最初の国際博覧会です。当事者として,正確な記録と記憶の記述を残したいとして書いたそうです。当時通商産業省(現経済産業省)に勤務する一介の官僚(係長)にすぎなかった堺屋さんが,巨大プロジェクトである万博開催の夢を抱き続け,紆余曲折ありながら,上は大臣から下は運転手まで説得して,政治・官僚機構や民間企業を少しずつ動かしていく話に引き込まれます。

日本は偉くない人が大きなプロジェクトを実現できる国であると堺屋さんは説きます。その実例を示しているわけです。権限が分散した日本の組織では,意外に下位の人が実権を持つことがあります。近い将来組織で働くことになる学生には感じ入って欲しい事柄です。

この本の中で,堺屋さんは大事なのはテーマではなくてコンセプトであると何度も語ります。キャッチフレーズのようなあいまいなテーマではなく,「何をするのか,何を見せたいのか」コンセプトをきちんと提示することが巨大プロジェクトには重要なのだというのです。万博は,歴史的に,技術と珍品を見せる博覧会から芸術の博覧会へと移ったが,1950年代以降は人間の博覧会になった。それを踏まえ,大阪の万博では,「人を集め,人を見せる行事」,「規格大量生産の近代工業社会である日本」という2本のコンセプトを練り上げたそうです。工業化が進む当時の日本にまさに切り込みながら,人間の博覧会に挑んだわけです。プロジェクト立案と進行の参考になります。
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2年ぶりに開催

2018年07月09日 | 名古屋マーケティング・インカレ
7月7日土曜日に,本学名城公園キャンパスにおいて,うちのゼミ生たち主導で,2年ぶりに名古屋マーケティング・インカレ第1回中間発表会を開催しました。学生,教員,ゲスト合わせて総勢160名の参加者がありました。今年度,学生の参加チーム数は30と過去最高になりました。

午後1時から5会場に分かれて発表会を開催し,その後夕刻から懇親会を開催しました。全ての発表を見ることはできませんでしたが,一部の発表を見た限り,ほぼ例年通りでした。なかなか研究テーマが決まらず,四苦八苦している様子でした。ただし,いつもより改善している点がありました。すなわち,多くのチームが所定時間をフルに使って,発表し,質疑応答を行っていたのでした。今回,プレンゼンテーション時間は15分,質疑応答時間は10分,計25分各チームに割り当てられました。過去,15分のプレンゼンテーション時間のうち,半分も使い切らず,その後の質疑応答では,まともな受け答えにならずに,あっという間に終了してしまう例をいくつも見ました。今回,私が見た限り,そういうものは皆無でした。

各チームが,所定時間きちんとプレンゼンテーションと質疑応答をこなすことができたのは,予備調査(探索的な調査と思考)をしっかりと積んできたからです。まだほとんどのチームは研究テーマが確定していません。手探り状態です。だからと言って,何の調査もしないで,机の前でうんうんうなっていても何も進みません。手探り状態だからこそ,時間を使って予備調査をして,複数の方向性を探る必要があります。

また,質問する側が,プレンゼンテーション内容を理解して,論理の矛盾点や調査方法のおかしさ等をついていたからこそ,活発な質疑応答になったといえます。参加学生は発表者としてきちんと予備調査を積んできたからこそ,質問する側に回った時に,発表内容をきちんと理解することできたといえるでしょう。

今回ゲストとして,荒武さんをはじめ日経BPマーケティングから3名の方々にご参加いただきました。これも発表の改善につながったかもしれないと推察しています。1回目の中間発表会において,3名ものゲストに来ていただくことはまれなケースです。後援者として,ずっと学生の発表を見ていただき,学生にアドバイスまで与えていただきました。おかげて,緊張感がいつもの中間発表会より増したと思います。この場を借りて感謝いたします。

全ての参加学生は,本大会に向けて,今回の反省点を早急に浮かび上がらせて,改善に取り組んで欲しいと思います。

うちのゼミにチームにおいては,全チームの平均レベルには達したが,上回ることはなかったという印象です。他大学生と比べて,予備調査のうち,ヒヤリング等の一次データ収集においてやや積極性に欠けている印象です。そうなっているのは,チーム内のコミュニケーションがまだまだ盛んでないことと,悩んだらとりあえず事実に直面してみるという割り切りがないからです。夏休み中に調査を停滞させず,地道に取り組んで欲しいと思います。

会の運営にあたって,不備な点が色々ありました。トラブルも少しありました。ともかく何とか無事に終了しました。発表者であるうちのゼミ3年生だけでなく,発表者でない4年生が運営を手伝ってくれたことで何とか終わらせることができたと思います。さらに,各大学の参加学生および指導の先生方が協力してくれたことも,円滑な運営に貢献したと思います。感謝いたします。

追伸
会場内が暗かったせいで,発表の様子について良い写真がとれませんでした。したがって,フォト・チャネルをアップすることができません。残念です。安物のスマホでとったのがいけなかったか。せっかく買った一眼レフのデジカメは重いので,今回持ち込むことを躊躇してしまったのですが,宝の持ち腐れになってしまいました。

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