愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

就職活動

2010年11月28日 | 就職
3年生の就職活動が本格化してきています。今月学内でスーツ姿の3年生が目立ちます。

しかしながら,まだ就職先が内定していない4年生が多く存在しています。現在,全国平均で内定率は50%台後半,東海地方では50%台前半という状況です。

ゼミにおいて希望通り内定が取れた学生たちに共通していることは,フットワーク軽く盛んに企業を訪ねたことと,企業・業界選びが一貫していたことです。企業・業界選びに注目してみると,一貫して産業財を扱う企業を志望した学生が見事に内定を獲得した例が目立ちます。ミスミや牧野フライスといった企業です。

たいていの学生は企業や産業のことをよく知りません。したがって,自分に身近で,少ない知識の中でも覚えている企業ということで,消費者向けの財やサービスを扱う企業を志望することが多く,その手の企業にはおびただしい数の志望者が集まることになります。その一方で,産業財企業は日本経済の根幹を支えていることが多いにも関わらず,注目しない学生が多いのです(文系学生はとくに)。先ほどあげたミスミや牧野フライスは,東証一部上場,業界内では著名で優良といえる企業なのですが,ゼミの学生のうち,内定を得た学生以外はまったく知りませんでした。そういう意味では,産業財企業をねらうのはチャンスなのかもしれません(といっても現状では高倍率ですが)。

これから就職活動を行う3年生には,よほど強い動機がある場合を除いて,消費者向けの財やサービスを扱う有名企業は志望するなと指導しています。それらの企業では志望者が多く,とんでもない高倍率になるので,面接まで至ることすら難しい。ほとんどの場合時間と労力の無駄になる。就職活動に使うことができる時間と労力は限られている。学生が注目しない隠れた優良企業を探し出して,そこを志望するほうが効率的で満足のいく活動ができるはずだと。そのため,日経ビジネスで,技術力の高いあるいは独自性のある産業財企業を取り上げた記事をよく読んで目を養いなさいと指導しています。

自己分析も大事ですが,業界・企業研究も大事です。しかし,業界・企業研究をきちんと行っている学生はうちの学部では少数です。そのやり方すら知らない。ゼミ生にはしつこく指導していくつもりです。

なお,例年,内定をいち早く見事に獲得する学生に共通する特徴があります。あいさつがきちんとできることと,時間に正確なことです。社会人として当たり前の振る舞いです。しかし,これらが実行できない学生は意外に多いのです。当たり前のことがきちんとできるかどうか,ゼミ生には確認して欲しいと思っています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もうすぐ提出

2010年11月11日 | 卒論
本日,ゼミの4年生は卒業アルバムの写真を撮影しました。もうそんな時期です。来月15日は卒論提出期限日です。

4年生は学生生活の集大成を残すべく,卒論作成に尽力してください。提出後,16日に4年生には相互に卒論を読み合ってもらう予定です。そして相互評価してもらいます。23日の補講日には特別に発表会を開催し,そこでその概要を発表してもらいます。それに対しては下級生たちに評価してもらいます。学生による評価を参考にして成績評価を行う予定です。また,学部優秀卒論賞候補も決定する予定です。


12月15日までに卒論を提出してしまうと,4年生は実質的にゼミでは勉学面において何もやることがなくなってしまいます。これは問題ありです。なぜならば,今大学では通年30回きちんと授業を行うことが求められているからです。しかし,12月前半から半ばの提出にしてしまって,その評価は担当教員がそれぞれ行うことにしますというのでは,残りの3~4回分の授業をきちんと行う保証がありません。少なくとも学生にはインセンティブがありません。ちなみに,多くの大学では,それを考慮して,学部あげて卒論発表会や口頭試問が行われますが,うちの学部は何もなしです。各ゼミできちんと教育しているかからそんなことを言うのはばかだと批判されるのでしょう。私は今まで色々な提案をしてきましたが徒労に終わりました。学部改革には今はもう関心がないので,そんなことはどうでもいいことです。

もちろん自分のゼミではきちんと教育するつもりです。卒論提出後,4年生にはまだ勉強を続けてもらえるよう色々行事を設ける予定です。高い学費を払ってもらっているのだから,それに見合うように最後まで勉強してもらいたいのです。もし最後まできちんと勉強を続けられたら,きっとそれは卒業後心に残ることになるでしょう。なぜならば,ほとんどの卒業生は在学中にもっと勉強しておけばよかったと反省しているのだから。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

伝説の発表

2010年11月06日 | 名古屋マーケティング・インカレ
名古屋マーケティング・インカレはあと1か月足らずで本大会を迎えます。正直言って,うちのゼミのチームはどれもまともな発表ができそうにありません。一生懸命調べたはいいが何が主張したいのかが分からないチーム,堂々巡りの議論を繰り返しているチーム,5月から全く進歩がないチームすらあります。しかし,ここでテーマを変えることは絶対に認めないと言い渡してあります。昨年,今頃になってテーマを変えて,「ぼろぼろ」の発表をしたチームがありました。

テーマは変えず,主張を変更していくことは問題ありません。大きなテーマの下で追究する下位目的を変えるということです。これはよくあることです。むしろ,調査が進み,思考が深まれば当然起きることです。研究とは,試行錯誤をしつこく重ねて,主張を修正しながら明瞭にしていく過程なのです。

名古屋マーケティング・インカレで伝説になっている発表に,名城大学の2年生チームによる「長浜商店街の二極化」があります。第2回マーケティング・インカレの参加チームです。長浜チームは,日経ビジネスで読んだ記事を参考にして,当初,日帰り観光客中心の長浜商店街に,地元客や宿泊観光客を呼び込むことができないかと考えて調査を進めていました。滋賀県の長浜市に何度も出向きヒヤリングやアンケート調査を繰り返していました。そこで分かってきたのは,商店街の内部に組織的対立が存在しているという事実でした。彼女らは,それが今後の商店街のあり方に重大な影響をおよぼす可能性があると考え,内部の組織的問題を掘り下げるよう下位の研究目的を変更しました。そして「長浜商店街の二極化」という発表をまとめました。

長浜商店街は,活性化成功事例として,大学の流通関係講義,行政の商業視察,ジャーナリストの商店街ルポでは必ず取り上げられる有名商店街です。マーケティング・インカレに関わっている教員はみなこの商店街の概要は知っていました。しかし,内部の組織的問題までは把握していませんでした。彼女らの発表にはみな驚きました。日経ビジネスで取り上げられたことをきっかけに彼女らは調査を始めたわけですが,当の日経ビジネス関係者もこの発表に驚嘆しました。学部学生の学習レベルをはるかに超えた調査報告だったのです。

長浜チームはテーマは変更しませんでした。愚直に長浜商店街を追い続けました。しかし,調査が進み,様々な事実をつかむうちに,思考が深まり,主張を修正していきました。この修正は単なる思い付きではなく,徹底した調査によってつかんだ事実に裏付けられていました。

うちのゼミで堂々巡りや足踏みをしているチームは,どれほど調査をしてきたのか反省してください。何度も滋賀県に出向いて,一軒一軒小売店にヒヤリングするほどの努力をしたのかどうか。せいぜい,机上でインターネットで調べてみました程度ではなかったか。堂々巡りや足踏みは調査が足りないために起きているのです。机上でうなっているだけだから,足踏みしているのです。調査が進めば,知識が蓄積・整理されます。そうなると主張が明瞭になっていきます。そして事実を踏まえてみると,かつて想定した主張がおかしいと気づけば,それを修正して,的確な主張にたどり着くことができるのです。

うちのゼミ生全員は,先行研究を調べる,事実をつかむ,分からなければ他人に聞く,これを残りの時間ぎりぎりまで徹底してやってください。

「長浜商店街の二極化」以降,われわれ教員は学生の発表を聞いたとき,それと同じレベルに達する発表があるかどうかを確認します。残念ながら,第3回,第4回のマーケティング・インカレでは存在しませんでした。第5回の今回はどうなるでしょうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

インカレの特色を再確認

2010年11月04日 | 名古屋マーケティング・インカレ
名古屋マーケティング・インカレ本大会まで残り1ヶ月となりました。

参加する学生の皆さんには,催しの特色をもう一度確認してから本大会に臨んで欲しいので,ここでは重要な特色を整理して紹介します。

1.発表回数
2回の中間発表会と本大会,年度内に計3回発表会が開催されます。これは大きな特色になります。なぜならば,学生の研究発表会というものは,年間1度開催ということが多いからです。1度きりの発表会に参加する場合,それに集中することができるという利点があります。ただ,「やり放し」になって,発表内容を反省するインセンティブが不十分です。1年間継続的に,活動を続ける意欲がわきづらいのです。研究活動というのは,継続的に考え続けること,調査を繰り返す事が大事なのです。それによって,より洗練された思考に到達するのです。3回の発表を行うことになれば,反省の機会は2度あります。しかも反省の結果を次回発表で反映させなくてはなりません。1年間継続して思考を高めていく仕掛けがあるといえるでしょう。

2.自主開催
学生研究発表会の中には,メディアや財団のような支援団体によって開催されるものがあります。名古屋マーケティング・インカレは,日経ビジネスの協賛は得ているものの,学生と教員が自主開催します。学生にとっては,開催に責任を果たすことによって,運営上学ぶことが多いので,そうしています。また,自主開催によって,参加学生はそれに皆強い愛着を持ちます。学生はお客さんではなく主役なのです。自分たちが会を盛り上げていくのだという意欲がわけば,発表内容のレベルを高める意欲もわきます。

3.相互評価
学生研究発表会で評価が行われる場合,大学教員や企業人などが審査員となって評価するケースが多いといえます。しかし,名古屋マーケティング・インカレにおいては,本大会では,基本的に参加学生が相互に評価し,その評価を集計して優劣を決めます。決勝では,日経ビジネスより招聘した特別審査員も評価に加わりますが,学生相互評価が基本です。審査員による評価にしてしまうと,参加学生は審査員の顔色を窺うことになってしまいがちです。それでは,学生間で指摘し合い,競争し,高めあうことを希薄にしてしまうかもしれないのです。同じ立場で同様の研究をしている者が相互評価することをピアレビューといいますが,互いに事情が分かっている者同士の評価は,細かな部分にまで注目することになるので,競争が激しくなります。もちろん,それによって発表のレベルが上がることを期待しています。

4.懇親会
名古屋マーケティング・インカレでは,発表会の後は必ず懇親会を開いて,発表に関わった学生には全員参加することを義務づけています。これは,研究発表を通じて,大学を超えて学生に交流して欲しいからです。競争しつつも協力する,評価しつつも援助するという姿勢を浸透させたいのです。研究発表を通じて,刺激し合い,参加学生全員で能力向上を図って欲しいのです。参加学生には,所属大学だけでなく,名古屋マーケティング・インカレも学びの場として欲しいと,教員一同考えています。

5.指導体制
関わっている教員は,自分が所属している大学の学生だけでなく,他大学の学生の面倒も見ることになっています。全教員が全参加学生を指導するという体制です。2回の中間発表会やその後の活動では,積極的に各教員は学生にアドバイスをするようにしています。各教員は質問を受ければ納得してもらえるまで応答するよう心がけています。名古屋マーケティング・インカレを大学を超えた学びの場としたいからです。ただし,本大会では,教員はクルー(裏方)となります。アドバイスもコメントもしません。助けることはしません。学生たち同士で議論を戦わせてもらいます。そして評価し合ってもらいます。それは学生に自分の頭で考えてもらうための重要な教育のあり方であると捉えているからです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする